7月に清里のキャンプ場であった清里オーガニックキャンプという暮らしを彩るワークショップが盛り沢山のイベントで、裸足で歩く体験をした。みんなで歩き出す前は、裸足で歩くと聞いて「(ただ)あぁ、裸足で歩くんですね」という言葉通りのことだけを勝手に想像していて、川や海での裸足は経験があるけど、草地や砂利の上を歩くと聞くと、「怪我をしないかな」「足の裏が汚れちゃうかな」といったネガティブな想像を気づかぬうちにそっとしていた気がする。
終わってみて、あんな気持ち良さを感じることになるとは思わず。
私の足先のことを説明させてもらうと、スッと細く華奢なのとは真逆で、幅広で甲も高い。若い時はそれで履けない靴がたくさんあって残念な思いをした。致し方なく、快適に動き回れる靴選びについて、若いうちから興味を持ってきた。ビルケンシュトックは銀座の小さなお店に30年ほど前に行って購入していたし、その後に続く健康志向の靴のブランドも多少高くても試してきた。五本指ソックスは指の付け根を刺激してくれるのが気持ち良くて、かっこいいとは思ってないけど手放せないし(今のように五本指ソックスが市民権を得ると思ってなかったな)、最近流行の値段が高めのインソールも試した。そんな訳で、時折映画で見る艶々と輝くハイヒールはただ見るだけで、実際には健康的な靴に関心を持っていた。そのお陰か、何度か足先を見せて足の指がゆったりと真っ直ぐに伸びているからか「堂々としている」と(多分)褒めてもらったこともある。
そんな私が今回、イベントの企画で〜はだしのひと〜金子潤さんの「裸足感覚のサンダル・ワラーチづくり」に参加した。信頼している友達がSNSで同じようなサンダル作りとワークショップの報告を投稿していたのをみていて以前から気になっていた。
作った後、みんなでワラーチを体験をして、その後裸足で歩いた。色々と書こうと思ったが、動画で参加者の感想が見られるので、是非こちらを見てほしい。
それ以来足裏でデコボコとした豊かな地面を感じることにとりこになっている。山の中の自宅に帰ってきて、翌朝早速ワラーチで散歩をした。アスファルトを避けて、できるだけ草の小道や石の上を歩くと本当に気持ちがいい。これまで足の裏の感覚を手放していたのが残念で仕方がない。アスファルトの上を通る時にも足裏の感覚を感じてみたが、衝撃は強いが一方で非常にのっぺりと退屈に感じる。
アスファルトの道は、歩くのも車で走るのもスムーズで、雨で泥水が跳ねて服や靴を汚さないなどメリットしかないと思って昭和の時代を生きてきたけど、足裏の感覚を手放してきたとは。良いことの方が多いだろうが、そうでもないことがあるのが普通なのだろう。
足裏の感覚で言うと、我が家の古民家では家の大半は畳で、その足裏の気持ち良さを日々楽しんでいるとも言える。天然の木の床だって、下駄だって(下駄も好き!)草履だって材質によって踏み心地が違う。田植えのぬかるみの中の感覚も最高。もちろん足裏のオイルマッサージも大好き。
毎日手でどれだけたくさんの数の物を触ったり持ったりしているか数えたことがないけど、その一つ一つの個性を感じ使い分けて暮らしている。それと同じことが足の裏にもあるはずだ。裸足に近い足裏を通して感じる山の小道は、表情が豊でとても気持ちがいいし楽しい。こう感じ始めると、近所に舗装されていないある程度長い距離を歩ける場所がどこにあるか?気になって情報を集めている。
足の下には、草や石、土があって。土の中には、植物の根っこや水脈や、動物や虫や微生物がいて、地球という星の真ん中につながっていく。裸足で歩くことで得られることをずっと手放して暮らしてきたけど、頭で考える以上に、体が感じることがたくさんたくさんあるだろう。
山に行ったら一度、面倒臭さを脇におき少しの勇気を持って、裸足になって歩いてみて欲しい。もちろん、夏なのだから浅瀬の川を裸足で歩くのも気持ちいいし、芝のある公園でもいい。言葉で語り尽くせないが、とても楽しくて気持ちがいい。これ伝わるといいな。
earthgarden“秋”のサブテーマは、Mountain High! 上でご紹介した金子潤さんにもご参加いただき、代々木公園内のトレイルをはだしで歩くプログラムや裸足感覚シューズの販売、サンダルづくりワークショップを予定しています。興味ある方は是非ご参加ください。
・・・感じるとそれに押されて言葉が溢れてくる。そんな日々の事を、これからも書いていこうと思います。