これからのearth garden。僕たちのコミュニティから照らす地域循環共生圏

ハイライフ八ヶ岳では地元のクリエイター家族と仲間のステージがあり、アースガーデン恒例の餅つきはファミリー、老若男女が楽しみます。僕たちのコミュニティがつながる未来を考えました。

サステナブルで多様な表現が、鮮やかにつながるコミュニティへ

アースガーデンの場づくりを、以前から折々に「“コミュニティ”フェス」という言葉で伝えてきました。

「コミュニティ」はそのまま「地域」とも訳せますが、意訳すれば「仲間の輪」とも言えるでしょう。「ウェブコミュニティ」のようにネット上のつながりを表現するのにも使われていますから意味はかなり広いものです。

キャンプと子どもたち@ハイライフ八ヶ岳

僕たちは“アースガーデンの周りに集う仲間たち”というぐらいの意味で使ってきました。代々木公園で集う出店者の皆さん、来場者の皆さん、出演アーティスト、スタッフ、ボランティア。それは常に僕たちのコア・コンセプト「オーガニック&エコロジー」の社会的な広がりにつながり、地域/コミュニティという言葉にも呼応してきました。

コミュニティと共に一人一人がつながり直し、技術や自然のあり方と共に地域をバージョンアップする“地域循環共生圏”

これまでも皆さんに伝え、この1月開催の“新年会”でトーク企画の主要テーマにもなる「地域循環共生圏」。環境省のウェブではその概念図として通称“マンダラ”と言われる非常に雑多な自然都市里山産業の関係図が載っています。「地域循環共生圏」が自然、人間、暮らし経済に及ぶ広いモノであることを示しています。

環境省ウェブサイトより
通称「まんだら」。環境省ウェブサイトより

地域のエネルギーや産業を重視しながら、SDGsの「誰一人取り残さない」という言葉に言及する、暮らし全般とライフスタイルに向き合う姿勢。これは、僕たちがこだわってきた「オーガニック&エコロジー」に密接です。

八ヶ岳の緑の中で音楽フェス@ハイライフ八ヶ岳

実際、環境省のプロジェクト「森里川海」が、静岡オーガニックフェスなどローカルフェスにも参加しはじめています。「地域循環共生圏」が、一人ひとりのつながりを改めて作り直し、技術や自然のあり方と共に地域をバージョンアップしていくのでは、とも期待しています。繰り返しますが、これは環境省が環境基本計画として閣議決定までした、国の正式な施策なのです。

庭先で発電して地域でわかちあう、技術は“小さくて凄い”モノへと進み、より広く皆が使えるものになっていきます

畑の上の太陽光発電「ソーラーシェアリング」に僕たちが深く関わってきたことは折々に伝えてきましたが、最近は新電力のプロジェクトへの協力もはじまり、電力自由化からの新しい電気の世界を垣間見ています。

畑の上の太陽光発電「匝瑳ソーラーシェアリング」は全国から注目され見学がひっきりなし

新しい技術は次第に“小さいのに凄い!”という方向に進むものです。例えば、10数年前までブラウン管TVほどだったPCは、今やスペック的にはスマホに収まります。(むしろ当時のPCを遥かに超えるスペックです)20年前は大型化を競っていたスピーカーもノートPCレベルで驚くほど良い音質で鳴ります。僕たちのイベント業に欠かせない、プロユースのステージPAスピーカーも、小型化と省電力化が進んでいます。

電気も自由で小さく融通の効くものになっていきます。庭先で発電し、小型で低コストになったバッテリーで自家消費する。(太陽光パネルは7年で5分の1に値下がり)電気自動車に蓄電して出かけ、夜間や停電の時には自宅で使う。コストが下がり技術も簡便になり、新しい電気の使い方や知恵も生まれています。

始まったばかりの「地域循環共生圏」のイメージと意味も、ドンドン変わっていくでしょう。例えば、最近の狩猟がGPSと携帯機器の発達でかなりIT情報化しているのをご存知でしょうか?猟師達はイノシシを追う猟犬のGPS情報で山を走り、罠の獲物にシグナルを飛ばす携帯通信を受けて現場に向かいます。農業とエネルギーの接点ではソーラーシェアリングがそうした領域を押し広げています。

罠シェアリング@東京都あきる野市

ローカルフェスは新しい文化への挑戦かも。豊かな地域に豊かな文化を

そして今、アースガーデンと仲間たちは何をしていくのか?と考えます。オリンピックも迫る中で、世の中に僕たちは何を示していけるのだろうかと。

で、結局僕たちは今まで同様、人が多様に出会い集う場づくりを続けていくのだと思うのです。

えんたくんミーティング@あきる野ダイアローグ

人は集まるだけで楽しくなるものです。それを野外の気持ちの良い空の下で、自然の恵み豊かな実感と共に、笑顔で多様な仲間たちと集いたい。そこで交換する良いモノや情報や笑顔で毎日がまた鮮やかになったり楽しくなったり、さらに自分の得意や興味で創り出したモノやコトと共に再び集って分かち合う。そういう繰り返しによって育ててきたのが僕たちの“文化”の一端でしょう。案外それは、正しく新しい姿をこの20年ほどで創ってきたのだと感じています。

50年かけてあじさい山を育てた長老ちゅういっちゃんと加藤登紀子さん@あきる野 武蔵五日市

さらにその先には、各地の仲間が挑戦し続けるローカルフェスがあります。音楽フェス文化の先にある、新しい地域文化を育てる可能性にも感じます。この数年で中京圏のフェスは爆発的に広がっていて、僕たちが協力してきた「」「中津川 THE SOLAR BUDOKAN」含め、多くの個性的な地域のフェスに万単位の人が集まっています。自然と歴史文化の豊かな地域にこそ豊かなフェス/文化が育つ時代が広がっています。

でも結局、この星で連綿と続いてきた“イノチ”こそが、僕たちの“ライフ”を豊かに楽しくする筈なのです

八ヶ岳農家の筒さん@ハイライフ八ヶ岳

新しい電気やエネルギーや技術のことも書きましたが、“イノチ”=エコロジカルな生態系こそが、僕たちの“ライフ”=暮らしと生きることを豊かに楽しくする根本なのは変わりません。

太陽光や風力などからの電気が自然エネルギーそのものなのは勿論、諸悪の根源のように言われる石油や石炭もこの星の生態系が生んだ有機物のカタチが変わったものです。SDGsの根本概念を表すウェディングケーキモデルと言われる図は、この星の上にはまず大きな自然生態系があり、その上に人間社会があり経済産業があるという事実をシンプルに示しています。

SDGs ウェディングケーキモデル
Stockholm Resilience Centreより

もうすぐ3.11震災から9年になりますが、震災をきっかけにこの8年で日本の太陽光の発電容量は10倍近くまで伸び、発電比率は4倍以上になって数年中に全発電量の2割に達する見込みです。自然こそが経済の根本という当たり前に世界が力強く進んでいるのです。

VRゲームやディズニーランドはとても楽しいけれど空虚さも感じます。それはそのクリエイティブの情報量が、現実で僕たちが感じる密度に及ばないからです。だからキャンプに行く人はますます増えていて、モノからコトへという消費もより良質な体感を求めるなら当たり前と思えます。

だから僕たちアースガーデンと仲間たちが、より豊かで笑顔の大きな人の輪をつくり続けることにも価値があるのでしょう。このページに並べた写真はどれも僕たちの場づくりでのものですが、その一枚一枚のバックグランドにある豊かさをもっともっと伝えたい、その為に皆さんに足を運んでもらえる価値ある場づくりと情報発信を続けたいと願っています。

雲の上で絶景広がるハイライフ八ヶ岳2020開催決定!日本一標高の高い音楽フェスへ

【全プログラム公開】坂本美雨、Yae、勝井祐二らも登壇!earth garden “冬” 2020 ステージトーク