自由研究に、保養キャンプ・・・YWCAの夏の福島キッズ向けプログラム

被災地の子どもたちのプログラムに取り組む全国のYWCAから、夏のプログラムのレポートがレポートが届きました!!

心地よい天気になるにつれ、秋の訪れを感じるようになりましたね。こう季節の変化を楽しむことができる私たちの一方で、今も困難の中に取り残されている方たちがいます。その一例が、東京電力福島第一原子力発電所事故の被災地の方々。各地で再稼働が相次ぎ、「あの日」が忘れられていく中、放射線被災に関する課題は、それぞれの上に取り残されています。福島に残った、子どもたちの上にも。

平和・人権NGO<YWCA>は、毎年夏に、全国24ヶ所にあるYWCAのネットワークの中で、福島の子どもたちが対象のプログラムを実施しています。その中の1つが、保養プログラム。放射能の影響の大きい被災地で不安を抱えて暮らす親子が、心身ともにリフレッシュするためのプログラムです。

函館YWCA 「北の大地ですごす夏休みinはこだて 2017」

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函館YWCA主催の福島支援保養プログラムは7回目。6家族、19名の参加者をお迎えし、今年も8月15日~18日の3泊4日で行いました。外遊びがメインの内容なので、8月に入ってからは天気予報ばかり見ていた気がします。が、今年の函館は長雨で、すっかり秋の気配。それでも、参加者の皆さんをお迎えした日は奇跡的と思われるほど晴天で、森林に行き、虫取りやシャボン玉遊びなどに夢中になることができました。「幸先良し」と思っていたのもつかの間。翌日からは曇天、霧雨。しかし、子どものパワーはすごい。ため息が出そうなお天気でも、牧場やレトロな遊園地での遊びに歓声があがり、大人たちはその勢いに押され気味。急きょ仕入れた合羽姿で走り回っている姿にほっとしました。ボランティアの男子学生が大活躍し、子どもたちは疲れ知らず、エンドレスに遊び続けました。

震災から6年が過ぎ、保養先が減ってきているのが現状ですが、函館YWCAは今後もやり方を模索しながら支援を続けたいと考えています。

熊本YWCA 「夏のキャンプ2017」

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熊本YWCAでは、東日本大震災後から、福島の子どもたちの保養と熊本の子どもたちの交流を目的に「春のキャンプ」を実施してきました。熊本地震後は、大学生など多世代の参加者と交流しつつ、自然の中でおもいっきり遊ぶことで、熊本の子どもたちの心のケアにも一役買っている、という実感を得ています。

今回は小学生を対象に、1泊2日で「夏のキャンプ」を実施しました。滝の滑り台や川遊び、サッカー、それからで缶蹴りをしながらアイスを作ったりと、夏を満喫できるプログラムです。子どもたちと一緒に大学生リーダーも楽しみました。川遊びはキャンプ場そばの矢谷渓谷。冷たい、きれいな水の中で大はしゃぎしました。夕食はダッチオーブンを使い、日常的に食べることのない鶏の丸焼きや、パエリアを作りました。火おこしから自分たちでトライ。初挑戦でしたが、美味しく作ることができました。朝食には、熊本YWCA恒例の、牛乳パックで調理するホットドッグ。安定のおいしさです。

次回は、2018年3月の「福島&熊本キッズ春のわくわくキャンプ」。今回参加してくれた子どもたちと、また会えるといいな。

福島YWCA 「わくわくサンサン教室」

また、3年前からは、地元の高校生が福島の再生エネルギーについて学ぶ「子どもがふみだす ふくしま復興体験応援事業『ふくしまから考える新しいエネルギー』」が始まりました。段ボールやアルミホイルなどを使ってつくる「ソーラークッカー」(太陽熱を利用した調理器具)の作り方を、今度は参加高校生自ら、地域の小学生に伝えるイベントが開かれました。

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福島YWCAはこの夏に、小学生を対象とした「わくわくサンサン教室」を開催。当日は熊本YWCAのメンバーや、地元の友人など様々な方が助っ人に来てくれました。

プログラムでは、地元の小学生に「ソーラークッカー」の作り方を教え、その後、一緒に実演。作り方を学んでいた時には「難しそう」と言っていた小学生も、簡単に作ってしまいました。そして、再生可能エネルギーについて学ぶ時間も持ちました。太陽、風、バイオマス、水、地熱の5種類の発電について教えると、興味をもってもらえました。初めての企画は成功。よかった!

日本YWCAは、東日本大震災発生以降、「com7300委員会」を設置して、被災者支援に取り組んできました。「com」はラテン語で「ともに」の意味、「7300」は2011年に生まれた子どもたちが20歳を迎えるまでの日数です。 「女性と子どもの安全と安心のために」、全国にある地域YWCAと協力し、長期にわたる継続的な保養プログラムの実施を通し、女性たちのつながり、支え合い、連帯をサポートしています。