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福島の自然エネルギーを高校生が学ぶ:オフグリッドハウスやソーラークッカーって知ってる?

原発事故の記憶が残る福島県ですが、2040年頃までに県内のエネルギー需要量の100%以上を再生可能エネルギーで生み出す方針を出している、ってご存知ですか?*1

震災と原発事故から早6年。当時、小学生だった子どもたちも、今では高校生。被災地では、友達や家族の間で、震災と原発事故について話すこともなくなってきました。

でも、彼女/彼らが大人になった時、どんなエネルギーを選べばいいのか。また、自分自身のライフスタイルを見つめ直すためにも、足元からエネルギーを(それも原発ではなくて、自然エネルギーに重点を置いて)考えました。その名も「ふくしまから考える新しいエネルギー」。*2

温泉熱を使った発電設備や太陽光パネルを巡る、福島でのフィールドワーク

2016年7月31日(日)に高校生一行が訪れたのは、福島市の観光名所、土湯温泉町にある地熱発電・小水力発電設備。深く狭い山道をバスでゆっくり進みながら、温泉町を周ります。地熱を利用したエビの養殖設備や、バイナリー(再生可能エネルギー)発電機を見学しつつ、観光客が足しげく訪れる温泉地の奥に、日本有数の自然エネルギー施設があることに驚き、感動。

土湯温泉(小水力発電・地熱発電)見学(7月)
土湯温泉(小水力発電・地熱発電)見学(7月)

土湯温泉を後にし、次に向かったのは、会津電力株式会社の雄国発電所。田畑の合間を縫いながら、舗装されていない細い道をようやく通って到着した先には、広大な山肌を切り開いた斜面一帯に漆黒の太陽光発電パネルが並んでいました。

山肌に並ぶ太陽光パネル
山肌に並ぶ太陽光パネル
太陽光発電のしくみを聞く
太陽光発電のしくみを聞く

会津は豪雪地帯なので、パネルが積雪の重さに耐えられる設計がなされていること。また、太陽光を効率的に受け、積雪しても溶解し、雪が自然落下するような角度で設置されていること。そんな工夫がさまざまに見られました。

エネルギーを自給自足する試み オフグリッドハウス「松江の家」とソーラークッキング体験

夏休みに入った8月19日(金)は、県外研修として、東京都・江戸川区にあるオフグリッドハウス「松江の家」を訪問。オフグリッド(off grid)の意味は「電線を外す」。文字通り、電力会社からの供給を受けず、ソーラーパネルによる太陽光発電のみで必要な電気をまかなっている家です。

昼食は太陽光だけで調理ができるソーラークッカーでつくったカレーやラスク、蒸しパンなど。昼食後は、身近な材料を使って実際にソーラークッカーを作成、1時間程で完成しました。高校生は「太陽の熱だけで本格的な料理ができたのはすごい!」「逆に電気のありがたみが分かった」と、ソーラークッキング体験を楽しみました。

「松江の家」運営団体、NPO法人足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわのスタッフのお話
「松江の家」運営団体、NPO法人足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわのスタッフのお話
自作のソーラークッカー
自作のソーラークッカー

再生可能エネルギーは面白い。

行政から個人まで、さまざまなレベルで再生可能エネルギーをつくったり、使ったりしている人たちのいる場所に出かけ、実際に体験してみることで、今までは遠くて小難しかったエネルギー問題が途端に身近なものに。電気いらずで料理ができるソーラークッカーなんて、段ボールとアルミホイルだけでつくれます。そうやって、私たちの周りからエネルギーのことを考えつつ、最終的に自身のライフスタイルや生き方を見つめることができました。

「自分のことを考えてみたくて参加したけど、考えるどころか、いったい自分が何をしたいのか、将来のことまで考えさせられて、本当にためになることばかりでした。福島のことは知っているつもりでいたけれど、知っていたのは一部だけで、福島に住んでいたのに知らないことがたくさんあったのでよかったと思いました。」

「オフグリッドハウスの訪問など、たくさんの貴重なものをいただきました。特に、福島が変わるには私たちが変わっていかないとだめなんだな、と思いました。」

と、参加した高校生が言ったように。

ここには紹介し切れませんでしたが、高校生の体験記をもっと知りたい方はお問い合わせください。記録集をお送りします。

YWCA (Young Women’s Christian Association)とは

YWCA (Young Women’s Christian Association) は、世界事務局をジュネーブにおく国際NGOで、国連の諮問機関です。1855年に英国で始まり、現在世界120あまりの国で、約2500万人の女性たちが活動しています。日本においては1905年の設立以来、100年以上にわたって、女性の社会参画を進め、人権や健康や環境が守られる平和な世界を実現するために、さまざまな社会貢献活動を展開しています。

*1 ふくしま復興ステーション「福島県再生可能エネルギー推進ビジョン」
http://www.pref.fukushima.lg.jp/site/portal/energy56.html

*2 本プログラムは2016年7月24日(日)~11月20日(日)にかけて、8回にわたり実施した。