2月にキのうえにて開催した詩を作るワークショップ「詩をつくって、じぶんと出会う」にて、講師を努めていただいた白井明大さんですが、新著が好評発売中。
『日本の七十二候を楽しむ -旧暦のある暮らし-』風や空や雨の名前、旬のたべものや郷土の祭り、古今の詩歌などをちりばめた暮らしの歳時記です。
ワークショップのレポートも掲載しておきます。レポートもまた素敵。
ふぅ。おかげさまでぶじに、詩のワークショップをすることができました。
誰かが誰かに、詩を教えることなんて、できるものだろうか?そんなことできないんじゃないか?なんていうふうにも思うのですが、
ワークショップに参加した人たちは、ごくしぜんにすらすらすららと、詩を書いていました。
その人が詩をうたいたい、あるいは書きたいと思ったとき、その思ったこころのおもむくままに、それをオープンにしてしまう、
ことばにしてしまうのが、詩です。
ひとりひとりの中には、はじめから、その人のことばがしまってあります。
どんなことばが、その人の中に、あるだろう? と思いながら、ワークショップを過ごしていました。
どの人にも、その人のことばがちゃんとあるのが感じられて、それをうれしく、あたたかく感じました。
ワークショップの間に話したあれこれは、ぜんぶすっかりそっくり忘れてしまってかまいません。
大事なことはみんなその人の中にあり、そのことを深く感じられたら、それが何よりです。
このワークショップで、ふだんしないようなこと(人前で詩をつくること)を、何人かが顔を合わせてしたこと、
それは不思議な時間です。そんな時間を共有した人どうしが、もしこれから、なにかしらの関わりを持ち、
今回のワークショップが、出会いのきっかけになったなら、それもまたうれしいことです。
じぶんが詩をつくっているつもりが、いつのまにか、目の前にあることば、詩のほうが、ずんずん勝手に進んでいって、
じぶんではそんなふうに書くつもりじゃなかったのに、ということも時にあります。
すると、あれっ、こんなことをわたしは、ぼくは、思っていたのか、と詩に驚かされることもあります。
わからないままに、書いてみる。うたいたくなったら、よくわからないけどうたってみる。そういうのも素敵です。
どうか、気が向いたら、こころのおもむくままに、これからも詩とつきあってってくださいね。
風や空や雨の名前、旬のたべものや郷土の祭り、古今の詩歌などをちりばめた暮らしの歳時記
『日本の七十二候を楽しむ -旧暦のある暮らし-』
文・白井明大 絵・有賀一広 東邦出版
書店でみかけたら、ぜひ手にとって見てみてください