今の自分を支えてくれるもの 〜自然という余裕〜【コラム|感じるために生きている】

みなさん、こんにちは。
アースガーデンの田川登美子です。

まず最初に、新型コロナウイルスで、さまざまなケアに尽力いただいている方へ心からの感謝を。また、亡くなられた方と、そのご遺族へ心からお悔やみを申しあげます。

同じ家族といえども・・・

せっかくのGWなのに先の見えない外出自粛。みなさん、笑顔で過ごせているでしょうか?

コロナ禍の日々で難しいと感じるのは、それぞれ経済的な事情に違いがあることと、事情の違いが働き方や働く事への切迫感の違いをも生み出していることです。家族の中でも、マスクの扱い方から手洗いの緊張感まで違う。

大きい意味では「“生きる”ことへの感覚が違う」家族が、ひとつの家の中で寝食を共にすることで、モヤモヤを感じる人もいるでしょう。

また、普段は職場や学校にいてバラバラに過ごしている家族が皆で家に籠もっていることで、心に引っかかっていた家族の小さな問題が吹き出す場合も少なくないと思います。家庭内に明確な問題がある場合は、DVやコロナ離婚など深刻な事態に陥る場合もあるでしょう。それに子どもたちが巻き込まれるだろうと思うと、本当に胸が痛くなります。

命が危険にさらされているのはみんな同じですが、暮らしに安心と安全がある人と、そうでない人がいるのです。

散歩のススメ 〜安心と安全のために〜

この切羽詰まっている状況で、外に出る散歩の時間がとても大事だと実感しています。特に、問題を抱えている人は、家から出て意識的に散歩をして息抜きをしてほしいです。

家の中でトラブルがあると、緊張から自分本来の心のリズムが乱れてしまいがち。

外に出て、心身の安全を確保した状態で深呼吸をしましょう。青空をゆっくりと見上げて、ついでに首をゆっくり回してストレッチも。小さなことですが、気分が変わるのでぜひやってみてください。

身の周りの自然を楽しもう

私の話をすると、イベントの仕事はみんな飛んでしまいました。心配しだしたらきりがありません。ただ、ありがたいことに家庭では、家事は分担してもらえて普段よりずっと楽をしていますし、手のかかる幼子も要介護者もいません。

日々忙しかった毎日に急に時間できました。そうして我に返ってみたら、春らんまんの自然がありました(東京都民ですが、あきる野市の山の中に住んでいます)。

その自然が今、私の心の支えになってくれています。

都心であろうとも、公園や歩道の片隅に自然はあります。外出自粛の中、貴重な散歩やスーパーの往復での自然の楽しみ方についてアイデアになるといいなと思い、いくつか情報をお伝えします。

『ひなた食堂』という小説をご存じでしょうか?リストラされたサラリーマンが、どんぐりや道端の雑草をお弁当に入れるというアイデアで復活する話です。もう数年も前の作品ですが目の付け所がとてもおもしろい作品。この小説の主人公のように、ふと足元の小さな自然を改めて見てみると、食べられる草があるのだと気づくことができます。ぜひ今読んでほしい本です。明るい文章なので気軽に読めます。

ひなた弁当 著:山本甲士

五十歳を目前に会社からリストラされた芦溝良郎は、妻や娘からも愛想をつかされ居場所を失う。リストラに仕組まれた罠を知っても、自信も誇りもない男に立ち上がる気力はなかった。ある日、隣近所の手前、出勤しているふりをして立ち寄った公園のベンチで、良郎にひとつのアイディアが閃く。良郎が手にした「生き抜くすべ」とは。
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自然の何が心の支えかについてお話しします。

例えば、川が流れていると、この上流には山がありきれいな水があると分かります(私は家の横に沢があるので格別ですが)。畑があれば、ここで農家さんがいて野菜が出来ると分かります。小さな雑草のような草花を改めて見直してみると、薬草だったりします。

余談ですが、ここ1年くらいのうちに、近所の若い世代ファミリーが、手作りで鶏小屋を作って、鶏を飼いはじめました。しかも、2軒も。あのお家は卵も手に入れられるのだな・・と、ちょっと羨ましく思ってしまいます。

田舎暮らしは、水と食べ物がある安心感は当然のこと、、都会であっても地域の自然を楽しんだり活かしたり、自分の足元が自然たっぷりの里山へと繋がっているという「想像力」が今かけがえのないものだと感じています。

この混乱の中にいると、近年の大規模な災害を振り返ったり、地球環境へ想いを馳せたりと「自然」への興味が深まった人も多いのではないでしょうか。興味が持てそうな方は是非、大きな地球の一部として、身近な自然を見直してほしいです。もちろん、ピンとこない人もいるでしょう。でもこの騒動が落ち着いたら、地域で貸し出しされている畑の一区画で、家族みんなで野菜を作ってみるなんてことであれば、関心が持てる人もいるのではないでしょうか?

草と暮らす: こころと体を調える雑草レシピ 著:かわしま ようこ

美しいと思えば花になり、おいしいと思えば野菜になる。雑草の魅力を生かすさまざまな知恵。
https://www.amazon.co.jp/dp/4416616325/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_GbUPEbERZTS40

ウィズ / アフター コロナの休日

数日前、これまで当たり前に見てきた近所のタンポポが、貴重な日本タンポポだと気づきました。何をするでもなく、心をゆったりとさせて見つめなければ気づけなかったことです。

これからは、休日の過ごし方も変わってくるのではないでしょうか?遅ればせながら日本でも、ただワインを持ち寄って会話を楽しむような心の底からリラックスした休日や遊びを“家飲み”“宅飲み”以上の価値感で取り入れるようになるだろうと思うのです。映画で観ていたような、湖のほとりで特別な計画もなく本でも読みながら、なんとなく過ごすような長期休暇の平安の素晴らしさが、ウィズ / アフター コロナではしみじみと感じられそうです。

遠くにある素敵で立派な何かではなく、散歩道にある小さな草花と同様に、すでに手近にあるものに、もう一度新鮮な視線を向けてみる。プランターで植物を育てるのだって日々変わっていく様子を見ていると癒されます。この機会に小さな自然への安心感や信頼感を育てていきましょう。

Greensnap

草花の名前や育て方を簡単に調べられるアプリ
https://greensnap.jp/

草花を撮影して、子どもたちとも一緒に楽しむことができて、とてもオススメです。

是非ご覧ください。NHKの『プリンプリン物語』の人形作家でもある友永昭三さん作の森の小人<ZiZi(ジージ)>と一緒に、可愛らしい草花がたくさん登場します。

今、大きな声で言うことではありませんが、不安や動揺で気分が浮き沈みしながらも、私は大人になってから初めてと言っていい程のゆったりした時間を過ごしています。こんな風に地元の自然を堪能して、睡眠もたっぷり取れているような暮らしぶりは、自分のアフターコロナの休暇のすごし方のお手本に出来そうです。

・・・今の私は自粛する番。次何か起こった時には私やあなたが動く番かもしれません。自粛できる人が家にいるのは支え合いです。どこまで続くか分かりませんが、周りの人と声を掛け合って、なんとか乗り切りましょう!代々木公園でみなさんとお会いできる日を私も心待ちにしています。

STAY HOME週間をアースガーデン流に過ごす<基本の暮らし編>