【インタビュー】今日も、これからも、その人にとってのスタンダードに | TOUNKY WOOD WORKS

自然の素材である木を使って、アクセサリーや家具をつくる「TOUNKY WOOD WORKS」(トゥンキー ウッド ワークス)。アースガーデンには、2008年に初めて出店して以来、継続的に出店してくれています。優しいカーブ、気持ちのいい肌触りが印象的。アースガーデンでは木製のアクセサリーのイメージが強いですが、今は鴨川に広めの工房を持ち、オーダーメイドの家具や店舗の什器などの制作にも忙しい毎日だそうです。矢野 剛士さん、有美さんにお話を聞いてきました。

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星と月をあらわすトゥンキー

剛士:名前のトゥンキーは造語です。僕はアフリカのタイコのジャンベをやっていて、有美はアフリカンダンスをやっていって、それがきっかけで出会ったんですけど、ギニアのスス族の言葉に「トゥンビ」と「キーキ」という言葉があります。「トゥンビ」は「星」、「キーキ」は「月」って意味なんです。それをあわせて、トゥンキーという言葉をつくって、それを名前にしました。

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二人のブログにも名前の由来について書いてあり、そこにはこうあります。“星も月も本来は全く別のもの。輝く星と見守る月。これは夫婦としての理想的な形でもあります。2つが1つである為に。2人が1つである為に。(中略)「トゥンキー」の意味は『大切な人,大切なモノ,大切な言葉』です。つまり,大切なもの全て。” 自然素材を使う木工作家さんは、屋号も自然の中から生まれていました。

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有美:TOUNKY WOOD WORKSをはじめた頃から作り続けているスプーンがあります。これはヘビの動きや形がモチーフになっていて、クネクネしてるんですが、長さを出さずに持ち心地がよいデザインで人気です。

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剛士:最初に作った時から、形を変えていないのですが、シルバーをやっている友人の師匠の作家さんが、工房に置いている、大切なモノだけを飾っているガラスケースに僕らのスプーンを入れてくれていたらしいんです。ぼくは、その方と面識がなかったし、もう亡くなってしまっているのですが、すごくうれしくて、これはこの形のまま、作り続けようと思っています。

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生きものからインスピレーションを受けたデザインだからこそ、持ちやすく、デザインとしてもしっくりくるのかもしれません。最近は、こだわりのあるキャンプギアとしても人気で、フェスで首から下げてアクセサリーとして、食事の時にはスプーンとして使ってくれているそうです。

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変化していくことで生まれる価値

有美:私たちはアンティークが大好きなんです。自然素材は、木製であれ、レザーであれ、持ち主の手の脂や空気にさらされて、色やツヤがどんどん変化していきます。私たちがつくったものが、10年後も、20年後も、今とは違う価値が出せるように、未来を見据えて、飽きずに大切に使ってもらえるようにと考えてモノづくりをしています。例えば、うちの作品は、6種類の紙やすりで磨いてるんです。時間はかかりますが、1つでも工程を飛ばしたりすると、数年後の質がぜんぜん違います。木も呼吸していますから、広がったりして、毛羽立ってしまう。

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剛士:良いものって金額じゃないと思うんです。文化や歴史がその価値をつくることもあるし、普遍的なものに生まれる良さがある。買ってくれた方が、ずっと使い続けられるような、その人自身が育ててくれることが大切だなと感じています。選んでくれた人のスタンダードになりたいですね。

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最近では、作家として販売をはじめたころのお客さんが、結婚し、家族ができて、大きめの家具を注文してくれることも増えてきたそうです。鴨川の工房では、今日も木を切る音が響き、新しい作品が生まれていきます。

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TOUNKY WOOD WORKSは
earth garden “秋” 2016に出店します