【木と生きる暮らし方】宮崎県美郷町の曽根田さんが語る「林業で自分らしく」

新しい環境、新しい人に出会うことが多くなる春。「自然と生きる暮らし方」と題し、アースガーデンと第一次産業ネットがお届けする特集の第一弾。今回は、多くの人が新しい生き方を模索する中で、「林業」という生き方に辿りついた一人の男性をご紹介します。

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2014年、生まれ育った神奈川県から、家族とともに宮崎県美郷町に移住して林業の仕事に就いた、曽根田雄久さん。林業とは縁もなかった彼ですが、どのように新しい生き方と出会うことができたのでしょうか。

林業との出会い

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自分らしい生き方について考え始めてから、「田舎での暮らし方」と「自分にあった仕事」を模索するようになった曽根田さん。毎年夏に数週間の休みをとって、自分たち家族が住みやすい土地を探す旅を続けていたそうです。その間、炭焼きの仕事を手伝う中で、次第に山仕事へ惹かれるようになりました。そして、数々の地を訪れた結果、宮崎県美郷町で森林組合に加入。林業の仕事をすることになります。

曽根田さん 「いろいろな土地を見て回りましたが、最終的には宮崎県の美郷町あたりがとても気に入りました。林業が盛んで、森と暮らす文化が古くから続いています。気候もいいし、神奈川にいた時のように海が見たくなればきれいな海岸線もあります。“この土地だ”と思いましたね。」

実際に林業をやってみて

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前職で引越業に携わっていた曽根田さんでしたが、森林組合で林業の仕事をしているうちに、働き方のスタイルが似ていることに気が付きました。

曽根田さん 「引越業と林業は別ジャンルの仕事ですが、働いてみると根本的な部分がすごく似ていると感じました。一例として、いかに安全に効率よくモノ(木材や荷物)を搬出するか、ということがポイントになる場面がどちらにもあります。手の空いた他のメンバーや余裕のあるメンバーがスムーズにサポートに回ることができれば、仕事の全体量やスピードがアップするんです。」

「協調性」という今までの経験で得たスキルを武器に、林業でもチームワークを意識した仕事ができている曽根田さん。チームで仕事をする場面もたくさんあるので「コミュニケーション力」があれば、さらに林業を楽しむことができるそうです。

曽根田さん 「山師や木材運びのおじさんは“寡黙でちょっと恐そう”というイメージを自分ははじめ持っていたのですが、今ではいつも陽気にしゃべって20~30分の立ち話なんかザラだったりしますよ。」

仕事、宮崎、暮らし。

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現在は、熱望していた伐採チームで、仕事は林業一筋の曽根田さんですが、宮崎での自分らしい暮らし方も考えているようです。

曽根田さん 「当面の目標は、自分の暮らしの中に炭焼きの仕事を徐々に取り入れていくことです。近々、炭窯を借りて、買い木で炭を焼くことを暮らしに取り入れたいと思っているんです。そして、今年はもっと地域のイベントに参加して楽しんでいきたいですね。宮崎に来てみて、ほんとにイベント事が多いなと感じています。のみかた(宮崎では飲み会をこう呼びます)、地元の祭り、ホームパーティー、音楽イベントなど、楽しめる事をいろいろとみなさんやっているんです。スッポンをさばいたり、猪肉料理をするなんて神奈川にいる時にはしていませんでしたよ。」

『明るくて自分を持っている人、林業に向いてますよ。』

そう語る曽根田さん。山仕事以外でもライフワークや趣味を持っていると、職場の関係もスムーズにいくようです。

「第一次産業の仕事に興味はあるけど、情報は少ないし未経験でも大丈夫かな?」と思う方は多いと思います。しかし、今まで培ってきた能力や個性さえあれば、曽根田さんのように自分らしい生き方を実現することができるのです。

現在、彼が勤める耳川広域森林組合は、林業に携わってくれる方を第一次産業ネットで募集しています。林業のほかにも、農業求人を中心に農林水産の仕事をたくさん見つけられるので、地方で働くことに興味がある方は、是非チェックしてみてください。

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耳川広域森林組合ウェブサイト:http://mimikawa-kouiki.org/