フェアトレード認定を受けた最初の紅茶畑、マカイバリ茶園のおいしさの3つの秘密とは?[ SoooooS.(スース)連動企画 ]

アースガーデンウェブの新連載「いつものお買いものが世界を変える」というキャッチフレーズでお馴染みの、人や地球にやさしい商品の購入サイト「SoooooS.(スース)」との連動記事が始まる。

今回取材したのは、ダージリンで40年近くにわたり化学肥料を一切使わず、大切に作られたマカイバリ茶園の紅茶の日本総代理店マカイバリジャパンの石井道子さん。

sooooos_ad

ダージリンティーの「ダージリン」とは、インド北東部西ベンガル州北部の地名である。標高が1300〜1500mほどで、四季がある。冬は寒くて雪がふるほど。歴史的には、イギリス人が避暑地として開拓した地域で、ネパールから人を連れてきて、紅茶の産地にしたのだ。今回お話を聞いたのは、そのダージリンで150年以上の歴史を持ち、40年近くにわたり農薬・化学肥料を一切使わず、大切に作られたマカイバリ茶園の紅茶の日本総代理店マカイバリジャパンの石井道子さん。こちらの商品は、フェアトレードやオーガニック、エコ、寄付つきなど、人や地球にやさしい商品(ソーシャルプロダクツ)の購入・発見サイト「SoooooS」より購入できる。

th_0_chabatake2

いい香りと、働く人のエネルギーが満ち溢れたマカイバリ茶園で作られる紅茶は、エグみも、渋みもない。一口飲むと分かるまろやかさは、すんなり身体に入って穏やかなダージリンの風を運んでくれる。そんな美味しさはリッツカールトンやパークハイアットなどハイグレードなホテルのラウンジで提供されているほど。その格式ある美味しさには、どうやら3つの秘密があるようだ。


th_0_IMG_0270

オーガニックであること

おいしさの秘密の1つ目。それは、なんといっても、オーガニックであること。日本の紅茶はブレンドされているものがほとんどだけど、マカイバリの紅茶はそんなごまかしはしない。年度によって、季節によって、味と香りが違うのはその証拠だ。

石井道子(以下石井)「マカイバリ茶園は紅茶としてフェアトレード認定を受けた最初の紅茶なんです。日本の基準では、3年以上化学肥料を使っていなければオーガニックです。たとえ4年前に化学肥料を使ってもオーガニックと言えるし、隣の畑で農薬を使っていてもオーガニックと言えてしまう。

しかし、マカイバリ茶園では、バイオダイナミックと呼ばれる農法を用いています。オーガニックであることもちろん、植物の生命力を最大限に引き出すために、月や太陽の動きまでも考慮して栽培しているんです。それを40年も継続しています。」

th_0_DSC_6617

生産者がいきいきと働いていること

美味しさの秘密の2つ目、それは生産者がいきいきと働いていることだ。労働環境がアウトプットの質を左右するというのは、働くあなたなら実感できるだろう。ダージリンには、86の茶園があるそうだが、政府によって給料が決まっている。茶園で働いていれば、どこでも基本的な給料は一緒だ。そこで、マカイバリ茶園では、生産者がサイドビジネスによって副収入を得られる仕組みを後押ししている。

石井「マカイバリ茶園では、生産者は、単なる労働者ではなく、小商いの経営者なんです。例えば、牛を飼って育てる。マカイバリのオーガニックな草を食べて育ちますから、ミルクもオーガニックとして高く販売でき、オーガニック肥料に使える糞も高く売れる。

野菜を育てる人もいれば、スタディーツアーやエコツアーで来たビジターにホームステイ先を提供して宿泊費をもらう人もいます。このように、誰もが経営者、事業主として、茶園の中で稼ぐことができるんです。」

th_0_DSC_6686

茶園と強い信頼関係があること

美味しさの最後の秘密それは、茶園と強い信頼関係があること。毎年の初茶摘みは、125kgしかない貴重なお茶だそうだが、マカイバリジャパンに毎年、全て売ってくれている。そして、マカイバリジャパンのスタッフのことをバイヤーと呼ばすに、コラボレーターと呼んでいるとのこと。

単純な売り手と買い手という枠を超えた信頼関係があることが分かる。早ければ茶摘みをして2週間で商品が届き、その美味しさを楽しむことができるのも、そういった信頼の積み重ねがあってこそ。

石井「茶園と一緒に、ジャパンオリジナルの社会貢献活動を行なっています。例えば、大学病院の先生をお連れして、現地の白内障の方を無料で手術する白内障キャンプというプロジェクトがあります。日本では15分で終わる簡単な手術ですが、設備も病院もお医者さんも十分でないダージリンでは深刻な問題です。たくさんの企業からのサポートもあり、現在171人の患者さんの手術を終えました。

また、ダージリン地方全体で抱えている問題として水不足があります。特に冬はほとんど雨が降らないため、マカイバリ茶園の人々は生活用水を自分たちで運んでいるんです。35リットルの水を、片道約2kmの山道を歩いて運びます。その重労働を主に女性が行なっているわけです。そういった問題を解決する第一歩として、インドのトヨタ・キルロスカ社から山間部でも走行可能な四輪駆動車を寄付していただけるように働きかけ、実現させました。」

th_0_IMG_0277

ダージリンの風を感じて

このように、丁寧に、大切に育てたられた紅茶だが、日本でのマーケットはまだ小さい。イギリスの取扱量は70トンに対し、日本は7トン。取扱量をもっともっと増やして、ビジネス面でも生産者を支えたいと石井さんは話す。マカイバリジャパンが発足して14年。10年したら8割が潰れてしまうという競争社会の中でも、しっかりと地に足つけてビジネスを続けてこられたのは、誰が飲んでも分かる紅茶の素晴らしい味と香りがあるからこそだろう。

ここまで読んだあなた。コンビニで買ってきたその紅茶、スーパーで買ってきたあのティーバッグ。いつも当たり前に飲んでいるその紅茶からちょっとグレードアップしてみたらどうだろう。ダージリンの風を感じてみてはいかが?

今回インタビューにご協力いただいたオーガニック・レストラン「広場」でも紅茶を飲むことができます。

logo

SoooooS.は”ソ-シャルプロダクツ”に特化した購入・発見サイトです。

ソーシャルプロダクツとは・・・
「ソ-シャルプロダクツ」はオーガニックやフェアトレード、地域・伝統、エコ、寄付つきなど、人や地球にやさしい商品・サービスのことを言い、SoooooS.はソーシャルプロダクツを通じてより良い社会づくりを目指します。

例えば、オ-ガニック商品を選ぶことで、そうではない商品よりも環境への負荷を低減したり、フェアトレ-ドの商品を購入することで、途上国の生産者の生活の向上に貢献したりすることができます。