未来の紅葉は今とは違う?デジタルアートで疑似体験!#アースガーデン秋2023

春の桜、夏のひまわり、秋の紅葉、冬の雪遊びーー。日本に住む私たちは古くから四季折々の風物詩を楽しんできました。季節は日本の文化に深く関わり、私たちの豊かな感性を育んできたのです。

そしてそれは、いつまでも変わらず続くことのように思われているかもしれません。でも、鮮やかな紅葉を楽しめる時期が少しずつ遅くなっているように感じませんか?

年々深刻さを増す気候変動は、私たちの生活にも影響を及ぼすようになってきました。

異常な暑さとなった今年の夏も例外ではありません。気候変動の影響で干ばつや山火事、大規模な洪水などが起こる頻度が世界中で増加していますが、古くから台風や火山噴火、地震といった自然災害と隣り合わせで生きてきた日本の人々にとっては、気候変動による異常気象の増加も自然に受け入れてしまっている節があります。

ですが、もしその影響で、私たちが愛する文化が失われてしまうとしたら?春に咲くはずの桜が2月に咲いたり、東北地方でお米が作れなくなったり、夏の酷暑が長引いて秋の紅葉がなくなってしまうとしたら?

グリーンピース・ジャパンが実際に気象庁のデータを調べてみたところ、1901〜1910年と2011〜2020年の東京の10年平均気温を比較すると、6月1日で2.3℃、同様に9月1日も1.5℃気温が上昇していました。

さらに、カエデ、イチョウともに紅葉時期が遅くなる傾向が見られ、1953~1969年と2010~2019年のカエデの平均紅葉日(注1)を比較すると、東京は18日、札幌は21日、福岡は36日遅くなっていたのです。イチョウの場合は、東京は15日、札幌は12日、福岡は32日遅くなっていました。このように、気候変動は私たちが普段楽しんでいるものに少しずつ影響を及ぼしはじめています。

グリーンピース・ジャパンは、近い未来に気候変動が変えてしまうかもしれない紅葉のあり方を体感できる、「エラーコード:秋」と題したデジタルアートBOXを用意しました。BOXの中に入って、少しずつ変わっていく美しい紅葉の世界を感じてみてください。そして私たちの生活や文化を気候変動から守るためにも、自分に何ができるか考えてみませんか?

グリーンピース・ジャパンは、地球規模で起こる環境問題にグローバルで連携して解決を目指す国際環境NGOです。世界55以上の国と地域で活動し、「行動するNGO」として環境への想いを同じにする日本中の人々と共に、気候変動に脅かされることのない多様で平和な未来を目指します。活動の独立性を保つため、企業や政府からの財政支援は一切受けていません。

地球を愛するたくさんの人が集まるearth gardenで、皆さんと一緒に気候変動のことを考えるきっかけになれれば、と思っています。ぜひBOXに遊びに来てください。

(注1)紅葉日とは、標本木全体を眺めたときに大部分の葉の色が変わった状態になった最初の日を指す(気象庁「カエデの紅葉日」を参照)