【eijiのAnywhere LIFE is FESTIVAL】冬フェスのフロンティア”豪雪JAM”事務局長樋熊さんとの対談

初めまして。
eiji (Dachambo)です。今回から隔月でearth garden WEBでコラムを書く事になりました。

このコラムは『FESTIVALの楽しさ』をなるべく多くの人に伝える事を目的に、Dachamboのメンバーとして日本中を駆け回った経験の中から、TVには映らない地方の小FESなど『変わったFESTIVAL』にスポットをあて紹介して行きます。

まず栄えある第一回目は『 豪雪JAM 』です。

豪雪JAM

毎年2月に全国指折りの豪雪地帯、新潟県十日町で行われています。過去には豪雪過ぎて中止になった年もありますが、今年も元気に2月21日開催予定。

すでに出演者も発表されています。

僕は『Dachambo』のメンバーとして、ここ10年の日本中のFESTIVALに多数出演していますが、この『豪雪JAM』はとびきり変わっています。何しろ文字通り『豪雪』の中で行われるのです。『夏FES』という言葉は誰でも知っていますが、『冬FES』という言葉を作ってしまったのは、この『豪雪JAM』です。

Dachamboは2009年の第2回目から出演していますが、いつも良いアーティストがブッキングされています。寒くて無理じゃないか?と、みなさん思うかもしれませんが、昼間晴れている状態なら、すこし身体を動かしていれば暖かく楽しめます。寒いけど寒くないのです。

そんな不思議な冬FES『豪雪JAM』の話を1~6回目まで実行委員長として、そして現在は事務局長の樋熊篤史(ひぐまあつし)さんに話を聞いてみました。

右が樋熊さん
右が樋熊さん

interview

EIJI:まずは、豪雪JAMの簡単な歴史と、フェスの始まりを教えて下さい。

樋熊さん:常日頃から、みんなが地元を好きで誇りに思える様にはどうしたら良いかと考えていたんですよ。全国から人が新潟県十日町市に来てくれて、それを見た地元の人間が、ココも捨てたもんじゃねぇなと思ってくれたら良いなと。

全国から人を集める方法は? → フェスならその土地の良さがあれば全国から人が集まる → 十日町市でやるなら春夏秋ではなく冬だな → 雪まつりの最終日は会場が空いてるな → 2007年12月に行政に相談 → 企画書持って来い → まぁやってみろ若者よ、的な感じです。

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EIJI:じゃあFESをやりたくて始めたってよりは、地域おこし村おこしからの逆算でのFES開催だったんですね。

樋熊さん:はい、でも初回開催の前年にFUJI ROCK FESTIVALに出店してからFESって楽しいなって感じていて。そこに偶然『YoleYole』がお寺でLIVEをした日に初雪が振って、それを観て閃きましたね。雪の中のFESTIVALだ!!って周りの仲間を説得しはじめました。

EIJI:必然の流れだったんですね。開催後の苦労話や事故などありましたか?

樋熊さん: 第一回目の開催時は、十日町でも珍しい本気の豪雪で、お客さんスペースに80センチの積雪が、、、。急遽アーティストステージにお客さんを入れ、ステージを一段上げて、お客さんとアーティストが超接近した状態でやりました。中止した年もありますが、現地は快晴だったのに東京からの交通機関が問題での中止でした。今までの降雪確率は8分の1です。それに、例え大雪が降ったとしても大丈夫、絶対楽んでもらえるって事には自信があります。

EIJI:80センチは凄いね。良く出来たね。今思い出したけど、初めて主演した時、俺達(出演者)怒ったよね

Dachamboの出演の様子
Dachamboの出演の様子

樋熊さん:はい、あの時はすいませんでした。ステージに専門のスタッフが入ってなくて、その教訓で3回目から舞台監督を頼んで、徐々にステージスタッフの体制も整ってきて、今は運営も落ちついてます。

EIJI:運営はボランティア主体?

樋熊さん:地元ボランティア60人、県内10人、東京10人からの80名程度で運営しています。

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EIJI:やっぱりステージ関係はプロ、運営はボランティアのDIYになるよね。ところで例の面白い注意書きを紹介して欲しいんだけど(笑)

樋熊さん:ホームページにも書いてある3つですね。

『スニーカーでは来ないで下さい』
都会人へ、関越トンネル越えると世界が変わる事を伝えたくて

『ダイブ、モッシュ禁止』
おしくらまんじゅうはOKです。雪は柔らかいは間違いで2月後半は雪も溶けて硬く危険です。

『アルコール持ち込み不可』
助成金は一切もらっていない。貰うと制限が出来てしまう。ドリンク売上げは大事な運営費です。

EIJI:始めは本当にスニーカーで来た人いたよね(笑)どんな場所でも、酔っぱらっての危険な行為は良くないよね。そしてドリンクの売上げはイベントの生命線だから持ち込みは絶対にやめてほしい。でもなんで助成金を受けとらないの?

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樋熊さん:お金を出してもらったら、どうしても制約が生まれるので、自分達でやりたいようにやりたいんです。頑張って続けてるので、逆に今は行政からの信頼は得れました。

そういえば、面白い話あります。
私が仕事(接骨院)中患者との会話で

『先生、豪雪ジャムってのやってるんだって?』
『そうです、あの会場で。』
『へぇ~日曜だけやってるの?』
『そうです。土曜日は雪まつりで一日だけです。』
『すごいね、一日だけでやるの?』
『そうなんです。土曜終わってからの準備なので、時間が無くて。』
『どれくらい作るの?』
『???どれくらい?って何をですか?』
『ジャムだよ、ジャム。』
『??? 、!!あっ違いますよ!ジャムって音楽イベントの名前ですよ!』
『なんじゃそれ!そうだったのか、、、』

ってな感じで、グッズのごはんのジャム(味噌)、豪雪ジャムが生まれました。

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EIJI:(笑)始めはそうだよね。ジャムなんて言ってもわからない。でも今は地元の人にも認知されてるんじゃない?今度はどうなっていくの?

樋熊さん:出来ればフリーフェスにしたいですね。現在は、無料と有料のゾーンを分けているのですが、無料ゾーンには毎年凄い人が来ています。そこでも十分に音は聞こえていますが、来てくれた人にはもっと近くで演奏を聞いてもらいたいです。どのように資金を捻出するかが課題です。そしてこれからも多くの人に『新潟県十日町』に来て欲しいです。

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EIJI:では最後に今年のみどころは

樋熊さん:とにかく最高の出演者が揃いました。必ず盛り上げる常連のDachambo、第一回以来のらぞく、新潟初上陸のtoconoma、そして今回『豪雪の夜』は、しっかり音が出せる地下の箱に移してUNDER THE DOGS feat. Keyco。是非、十日町に来て欲しいです。

EIJI:少し寒い中、踊れるアーティストの音に合わせて身体を動かして暖かく。そしてアフターパーティの『豪雪の夜』ではUNDER THE DOGS feat. Keycoでメロウなソウルグルーヴを楽しみたいね。

どんな場所でも、状況でも、楽しみ事が出来る、FESTIVALはいつでも出来るんだ!!!と、大きく扉を開いたイベント『豪雪JAM』は、普通のFESTIVALに飽きた人にはオススメです!!!夏まで待てないみなさん、是非遊びに行きましょう。

豪雪JAM 2016

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日程:2016年2月21日(日)
時間:10:00〜17:00
場所:新潟県十日町城ケ丘ピュアランド
料金:前売券4000円【イープラス】 / 当日券4500円
主催:豪雪JAM実行委員会
後援:十日町雪まつり実行委員会 / 新潟県建設業協会十日町支部青年部 / 十日町新聞社 / 十日町タイムス社 / 妻有新聞社 / 東頚新聞社 / エフエムとおかまち(順不同)
Sound:Delightful music promotion / コネクテック

LIVE

toconoma
らぞく
dachambo
and more

TOUR

渋谷発・新宿経由、日帰り便
池袋発、一泊便など

豪雪の夜

日程:2016年2月21日(日)
時間:open19:30 / start20:00 / close23:00
場所:新潟県十日町市 ナイトイン
料金:2,500円【イープラス】
主催:豪雪JAM実行委員会

LIVE

UNDER THE DOGS feat. Keyco

 椎名純平(Vo.KEY / fron ヒトサライ)
 大竹重寿(Dr / from Cro-magnon )
 eiji(Bass / from Cro-magnon )
 IZPON(Per)、Keyco(Vo)

DJ

Ken爺

eiji

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日本を代表するJAMBAND『DACHAMBO(ダチャンボ)』のベーシストとして7枚のALBUM、2つのDVD作品をリリース!!2004年からFUJI ROCK FESTIVAL、RISING SUN ROCK FESTIVAL、SUMMER SONICに代表される全国数々のロックフェスに出演。ペインティングユニット『gravityfree』×シューズブランド『KEEN』とのコラボマイクロBUSに乗り毎年全国ツアーを行っている。アメリカ、オーストラリア(4度)とツアーを成功させ近年では海外FESTIVALからのオファーを受けるようになる。

イベント制作者としては、2011年のバンド主催『D.I.Y』イベント『HERBESTA’11』で制作、運営、出演の3役をこなし、1万人以上を集め大成功をおさめ、その後、制作の依頼も多く現在は『富山ホットフィールド』などの制作にも携わっている。

2012年からはシンガーソングライターとしての活動を始め3枚のALBUMを発表し、FUJI ROCK FESTIVAL’14、RISING SUN ROCK FESTIVAL 2013 in EZO、中津川THE SOLAR BUDOKAN 2014に出演を果たしている。

official HP:http://dachambo.com/eiji/

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