“生きる知恵と工夫とあそび” を集めたワークブック「みんなのちきゅうカタログ」|earth garden “秋” 2018 出店

earth garden “秋” 2018にオーガニック&エコロジーなワークブックを持って、出店してくれるのが、出版社のTWOVIRGINS。

刻々と変化していく世界にあっても、楽しくたくましく生きていくために必要なちからを身につけてほしい。

それは勉強や処世術よりも、自然を読んだり、衣食住・生きるために必要なすべてのことが自分の体でできることだったり、世界中のどんな人とでも根っこでつながり、楽しく幸せな人生を生きていくことができるちから。

『みんなのちきゅうカタログ』は、そんな “生きる知恵と工夫とあそび” を集めたワークブックです。ぜひ、当日の会場で、手にとって、ページをめくってみてください。今回は、出版社のTWOVIRGINSのみなさんから、本の紹介をしていただきました

「みんなのちきゅうカタログ」で伝えたい“いのち”の哲学

東京アーバンパーマカルチャーを主宰するソーヤー海さん監修のもと、子どもとおとながいっしょに学べるパーマカルチャーのワークブックがをつくりました。

パーマカルチャーとは生態系・自然循環の仕組みに学び、資源を浪費し環境を破壊し続けるのではなく、人と自然、そして人同士が生かし合う関係性をつくる生き方のデザインのことです。

「食べる」「つくる」「エッジであそぶ」「デザインする」「与えあう」「立ち止まる」「つづけていく」「生きる」の8つのテーマをもとに、海さんからのお手紙のような「抽象性」を考える読みものページ、チャレンジを応援する「実践的」なワークシート、「方法や具体性」を紹介する図説ページで構成されています。

この本を開くとページ一面に広がる大きな木の絵が。
その太い枝に書かれた5つの言葉。

1. 自分らしく生きる。Be your self
2. 必要なものは、身のまわりにある。You have everything you need.
3. すべてはそうぞうしだい。You can create whatever you want.
4. すべてはつながっている。Inter-being.
5. たのしんで生きる! Just have fan!

これは、お父さんになる日が近づいていた海さんに「これから生まれてくる我が子に伝えたい5つのことは何ですか?」と尋ねたときに、うーんと少しだけ考えて、でもはっきりと迷いなく答えてくれた言葉でした。

この5つを子どもとおとながいっしょになって、楽しく、ワクワク、ドキドキしながら学んでもらえる本にしたいと、たくさんの知恵と遊びを集めてカタログのように1冊に詰めこんでできたのが「みんなのちきゅうカタログ」です。

この本ができるまで

弊社から監修であるソーヤー海さんに「子どものための『ホールアースカタログ』のような本をつくりませんか」というお声がけをしたのが2015年。そこから山あり谷ありちょっとよじ登ってまた転げ落ちて……を繰り返して、今年の夏休み前にやっと完成しました。

オンラインで毎週ミーティングを設け、海さんにインタビュー形式をとって文章を起こしていきました。言葉も、イラストも、構成内容もすべて1から全員で話し合い、形にしていったので本当に畑を耕し、種をまき、野菜を育てるような感覚でした。

少しお力をいただきたくてクラウドファンディングで先行予約を募り、470名の方にご支援いただきました。ページの最後にはご支援いただいた方々のお名前も載せています。

みんなのなかには、たくさんのものすごい才能が隠れているこの本をつくるときに、編集する上でもっとも心を配り、もっともむずかしかったことは「子どもたちが楽しいと思うものをつくる」ことでした。

どんなに小さい説明にもイラストを合わせ、分かりにくいお話は漫画にしたり(おそらく日本、いや世界でポートランドのシティリペアの事例を漫画にしたのはこの本が初めてだと思います)、隠れキャラクターをいろんなページに忍ばせたり、音読したときのリズム感や、タイトルの言葉選びなど、何度読んでも発見があるような本にしたかったのです。

なので、企画ミーティングには毎回小学生の男の子に参加してもらい、「これおもしろい?」「うーん、よくわかんない」と、読者の貴重な意見を聞きながら、無人島探検のように(したことはありませんが)道なき道を探しながら進め
ました。

そして、もう一つ気をつけたこと。それは「答え」を提示しすぎないことです。この本の中にはたくさんの「?」があります。問いでいっぱい。

それは、自分よりもこれからこの本を読んでくれる子どもたちの方が、何倍もおもしろい答えを見つけられると思っていたからです。

いつの間にか「知っていること=答え」になり、知識が増えるほどその答えに縛られたり、安易に答えが手に入る世の中で、考えることを省力してしまうこともしばしば。

でも、この本では子どもたちの思考をリスペクトし、おとなの私たちは子どもたちが足を踏み入れていない未開拓の地への招待状だけをこっそりと置いておく。そして、その冒険の過程での失敗や挑戦にエールを送り、分かれ道の道しるべだけをそっと教える。

だから、あとがきには海さんの言葉でこう書かれています。
「君がこの本のつづきをつくってほしい。君が『ちきゅうカタログ』の要素をいっぱい集めてきてほしい。そこから君がつくっていく世界をぼくは知りたい。そして、いっしょにつくりたいんだ」

本だからできること

今、日本で生まれ育っていく子どもたちの多くは、あらゆる可能性や選択肢に気づかないままに、貨幣経済の大きなサイクルの中に飲み込まれていきます。 一義的な価値観ではなく、「消費」や「生産」に色々な方法で(遊び心をもって)アプローチしていくこと。 それらを「持続可能」な方法で実践していくこと。 私たちはそういった可能性を次の世代と一緒に考え、学んでいきたいと考えました。この本はそのきっかけだと思っています。

書店は全国の町にある暮らしのよりどころです。だから本という形にすることで、よりたくさんの人に平等に伝えることができるのではないでしょうか。これまでスーパーでしか野菜を見たことがない子も、土遊びが好きな子にも平等に、この本が未来をつくる子どもたちへの希望の招待状になれ
ばいいなと思っています。

みんなのちきゅうカタログ

監修:ソーヤー海
絵:ニキ・ローレケ、川村若菜
文:福岡梓
出版:TWOVIRGINS
料金:¥2,160

earth garden “秋” 2018
2018/10/27-28開催
http://www.earth-garden.jp/event/eg-2018-autumn/