森が水を育て、地球を循環する 映画『うみやまあひだ』

社会人1年目の春、伊勢神宮を訪れた。森のなかに神社が広がり、川が流れ、凛した風が吹く。<もののけ姫>のサントラを聞きながら、ゆっくりと歩いた。伊勢神宮の森は5,500ヘクタールあり、世田谷区と同面積の広大な森が広がっている。

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「Story about Water」

アースガーデンフリーペーパー vol.39
http://www.earth-garden.jp/feature/fp39

映画<うみやまあひだ>は、1300年にも及ぶ式年遷宮と森との関係、そこから広がる水の循環にせまったドキュメンタリーだ。

伊勢神宮では、20年に一度社殿をすべて作り変える<式年遷宮>という行事がある。古い社殿の隣に、同じ様式の新しい社殿を建てるのだ。このときに必要になる木材を育てるため、神宮司庁の中に営林部があり、森を大切に管理している。健全な森では、森の中に太陽の日が注ぎ、木が大きく育ち、木の実を動物が食べ、糞や死骸が土に帰って栄養となり、また木の成長につながる。その森はミネラル豊かな水を生み、川から海へと流れていく。

同映画内で<森は海の恋人>運動の提唱者・漁師の畠山重篤さんは、海にもプランクトンと海藻の「森」が広がっていると語る。水の循環が、豊かな自然を広域に渡って作っていくわけだ。映画監督の北野武さん、建築家の隈研吾さんらも出演し、日本の森と文化の関係性を語る。

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映画を見るのは、DVD・ブルーレイを購入する方法もあるが、新宿神楽坂の<神楽シネマ>にて、毎週金曜日に上映会を行っている。現在時点の情報では、2018年の3月までは上映を行っているようだ。内容だけでなく、式年遷宮の様子を幻想的な写真と音楽で表現する美しさも心に残る映画。神楽シネマでは、音響にもこだわっているそう。上映会を行っているうちにぜひ見に行ってほしい。

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