原爆投下の日、広島で治療にあたった医師が問いかけるものとは。3/12よりユーロスペースにて3週間限定公開

1945年8月6日の原爆投下の日
広島近郊で被爆者の治療にあたった医師が問いかけるものとは。

映画「ヒロシマ、そしてフクシマ」が、3月12日(土)よりユーロスペースにて3週間限定公開されています。

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フランス人監督が追う肥田舜太郎医師96歳最後の闘い

2016年3月現在99歳(撮影時は96歳)の高齢でありながら反核のための活動を続けている肥田舜太郎医師をご存知でしょうか。肥田先生は原爆投下の1945年8月6日以来、若い軍医としてずっと広島で被爆者の治療にあたりました。そのうち、原爆投下の日に広島にいなくて爆撃を直接身に受けなかった人々が、後になって突然発病し、被爆者と同じ症状を示して死んで行くという例を数多く目撃しました。それが内部被曝によるものであることを突きとめた先生は、それまで知られなかった内部被曝というものの脅威を世界に向けて訴え続けてきました。
       
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科学を名乗った最も権威のある集団が嘘をついている―

カメラは、原発事故の被災者が暮らす福島県いわき市へと赴く先生を映し出します。そこには助言、診断、励ましの言葉を得ようと肥田先生の来訪を心待ちにする人達がいます。先生には戦後65年にわたり広島・長崎の生存者を診療し続けてきたという誰もが経験しえなかった治療体験があります。内部被曝の危険性は、誰あろう核所有国の政府当局者たちが隠蔽してきたのです。

それは人間的な営みを顧みず、莫大な経済的利益を生み出す原子力産業を推進、温存し続けるためです。何万人もの人々を襲った1986年のチェルノブイリ、そして現在の福島の原発事故の悲劇にもかかわらず、この日本の体制は、原発再稼働を国是として進めています。加えて世界各地で64の原子炉が建造中であり、計画中のものが何十とあります。それは何故なのか肥田先生は、最後の力を振り絞って問いかけてきます。

また1945年日本に原爆を投下した米軍や日本に民間用原子力産業を導入したアメリカ国家の暴挙に対して、肥田先生はその怒りを、多くの日本人に成り代りはっきりと口にします。先生が願ってやまない、平和で核のない新しい日本の到来に向けて・・・。本作は一人の被爆医師の執念とも言うべき言葉を追ったドキュメンタリーです。

『ヒロシマ、そしてフクシマ』

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監督・撮影・編集:マルク・プティジャン 
プロデューサー:山本顕一
出演:肥田舜太郎 野原千代 三田 茂 他
劇中アニメーション:ロマン・ルノー
音楽:リーズ・ノラ
録音:百々保之
翻訳:岩貞佐和
通訳・コーディネーター:人見有羽子
制作プロダクション:ミラージュ・イリミテ
製作:ドミニク・ベロワール/マルク・プティジャン
日本語ナレーション:水津 聡
日本語字幕:山本顕一
国際配給:Docandfilms
原題:De Hiroshima à Fukushima— Le combat du docteur Hida
配給・宣伝:太秦
スペック 2015/日本・フランス/HD/80分