Sohey(SOUR)& 大島武宜(Senkawos)対談「音楽も仕事も、大切な ”中身” を届ける方法 」

今年のearth garden “夏” メインステージに出演いただいたSOURとSenkawosは、それぞれのメンバーが全員、音楽活動をしながらそれぞれ仕事を両立しています。特におもしろい働き方をしているSOURのSoheyとSenkawosの大島武宜に音楽と仕事の話を聞いてきました。

s1200_IMG_2148

–お二人は仕事としてはどんなことをされているんでしょうか?

大島武宜「(以下 大島) おちゃらけ気味に自己紹介するときは、ハイパーメディアクリエイターと言っていて。ウェブデザイン・プログラミング、グラフィックデザイン、レコーディング・ミキシング、本の装丁、カメラなどを仕事にしていますが、音楽も含めて、外に向けて放つものならなんでもやっているという感じですね。」

Sohey 「僕は ITベンチャーを経て、今は創業1804年、昨年に210周年を迎えた『せんべい屋『銀座 松﨑煎餅』の8代目をしながら音楽をしています。」

s1200_IMG_2127

大島 「Soheyさんのfacebookはおもしろことになってますよね。ライブの写真の投稿のあとに、工場視察の写真があがっていたりとか(笑)」

Sohey「そうですね、 音楽界隈と、お菓子界隈と、銀座界隈とが行ったり来たりしてます(笑)せんべい屋は、働き始めたころから公私混同をテーマにしていたので、より混ざってますね。うちの会社の2Fにお茶席があって、そこでイベントをやったりとか。Senkawosに出てもらったこともありますよ。 何かと何かをくっつけるかという、プロデュース的な観点は音楽でも仕事でも必要だと思っていて。作っただけじゃ届かないし、どうやってリーチさせるか。ハイパーメディアクリエイター的ですよね(笑)」

大島「ぼくにとっては、装丁は楽曲作りはたいへん近い。判型や原稿、予算などの制約の中ですべてをバランスさせる。音楽も楽器の音色や音域などの制約の中で、どう組み合わせて響かせるか。こういうの、性に合っているんだと思います。」

s1200_IMG_2134

s1200_IMG_2074

Sohey「せんべいにも箱があって。本で言うところの装丁だと思うんだけど、箱を良いものにしようと思うと原価が高くなる。箱は味には関係ないんですけど、人は外見によって判断することもあるし、そこは難しいところ。」

大島「これ、音楽の話に落としこむと、音楽自体が外見なんだと思うんです。中身は自分の気持ちとか、心のなかの情景とか。目に見えないし耳に聴こえないものを、音というパッケージを使っていかに伝えるか。」

Sohey 「音が中身で、ジャケットが外見っていう話を、もう1段階深めた話だね。たしかに、そういう考え方もできる。」

大島「とくに、ライブはそうですよね。自分たちの思いを、音響・視覚効果で感じられるものに変換して届ける。いかに瞬間的にパッケージして届けるか。」

Senkawos – Songbird

Sohey 「会場選びも大事そう。野外なのか、屋内なのか。あとは、その場を一緒に共有する人とか。」

大島「おせんべいの箱がイベントに見えてくる(笑)結局、制約があるからものづくりができるんだと思います。音源やMV制作も締切があるから完成するし。」

s1200_IMG_2057

–進行管理が大切ですね(笑)

Sohey「SOURでアルバムを出す時は、出来上がった音源の中からリード曲を決めて、その曲のMVを作っていたんですけど、だいたいレコーディングの日程が決まって、最後の最後にできた曲だったりする。時間がないから、作り込みすぎなかったり、悩まなかったりしていい方向に動くのかも。」

大島「フリーランスの場合、納期が重なってくると辛いですけどね。義務感なく、没入して高い密度でやり続けている。それが恐ろしいところでもある(笑)」

–お二人はこれからもずっと音楽を続けていきそうですよね。

Sohey「僕らは音楽が大好きだし、やらないと死んじゃう系の人たちだと思います。新卒で入った会社では、とんでもない時間働いて、月に一回休みがあるかないかとかそういう時期もあったけれど、リハやライブはやっていたし、絶対にやめなかった。たぶん、音楽をやらなくなると心に余裕がなくなるんですよ。人によっては、ひとつのことに集中しなさいっていうけど、ひとつにすることによって、全体のパフォーマンスが落ちることもあると思う。逆に言うと、そういう人がやり続けられるんじゃないかな。周りはほとんどやめてますから。」

大島「今はいろいろやり方ありますからね。自分で動画をYouTubeにアップして人気になるとか、bandcampで在庫を抱えるリスク無く音源を売るとか。」

–まさしくSOURはYouTubeの動画で多くの人に音楽が伝わりましたよね。

SOUR – 日々の音色 (Hibi no neiro)

大島「音楽を仕事にしない立場の人は、より自由に、尖った音、偏った音が作れると思います。そのバリエーションが広がれば広がるほど、音楽業界もっと楽しく・豊かになると思いますね。新しい音楽スタイルは、商業ベースじゃないところで生まれる可能性が高い。普通の大工さんはオーダー通りの普通の犬小屋をつくるけど、凝り性のお父さんが日曜大工で奇抜な犬小屋を作っちゃうみたいな。それを見て、宮大工が本気出すとか。そういう循環があったらいいと思います。」

Sohey 「実際、その循環はありそうだよね。」

大島 「あるでしょうね。ダブステップとかそうですよね。アンダーグラウンドから始まったサウンドが、世界中に広がった。」

Sohey「確かに、自分たちが学生の頃よりも、いろんな音楽が生まれてる気がしますね。僕の後輩も、かなりがっつり働いてる社会人だけど、自分で映像を作ってテクノの音をつけてfacebookにアップしてたりしてて、それを聞くのはけっこう楽しい。」

–それぞれのバンドの他のメンバーさんはどんな仕事をしていらっしゃるんですか?

Sohey「うちのギターはギターの輸入代理店及びメーカーで働いていて、ドラムはマーケティングの仕事をしています。エクセルの変態なんですよ。この間、エクセルでサンプラー作ってたからね(笑)あと、いつからかわかんないけど、ライブのセットリストと、メンバーの満足度を数値化していて、どんな曲をやるとメンバーの満足度があがるのかとか、数字にしてるんですよ(笑)」

大島「それはやばい(笑)」

——— 今回、お話を伺って、音楽と仕事はその根本的なところで通じるところがあるし、両立することでお互いが自由になることが分かりました。ただ、もちろん大変なところもあるわけですが、苦労話をきいたあとだからこそ、ライブのありがたみも分かるもの。さぁ、みんなで遊びに行きましょう!

LIVE INFO

SOUR出演『NO GUARD 3rd Anniversary -Round13-』

日程:2015年11月11日(水)
時間:OPEN18:00 START19:00
場所:渋谷WWW
料金:ADV¥3000(1D別

出演
U-zhaan×鎮座DOPENESS×環ROY
SOUR
eli walks
LUI FRONTiC 赤羽JAPAN
テンテンコ

チケット(10/17 10:00一般発売開始)
イープラス
GAN-BAN(店頭販売) tel:03-3477-5701
ローソンチケット Lコード:77452
HP予約:こちらから
※入場順はイープラス、ローソンチケット、GAN-BANの整理番号→HP予約→当日券となります

RIDDIMATES & Senkawos presents リディセンだョ!踊れウグイス

riddisen

日程:2015年11月8日(日)
時間:OPEN 16:00 / START 16:00
場所:東京キネマ倶楽部
料金:スタンディング ¥3,000(ドリンク別)/2階指定席 ¥4,000(ドリンク別)

Live
RIDDIMATES/Senkawos/KONCOS[NEW!]/溺れたエビの検死報告書/☆マーレーズ☆

DJ
自由と砂漠

Food
can cafe

Decoration
大島エレク総業

チケット発売中
ローソンチケット: 0570-084-003(Lコード:74770) / チケットぴあ: 0570-02-9999(Pコード:277-598) / イープラス