【中米市場便り】中村真菜美さんよりコスタリカレポート

アースガーデン・ラテンアメリカセクター担当(?)の中村真菜美さんよりレポートが届きました!
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高校2年生の終わり、ひとりでグアテマラに訪れたことがきっかけで、何故か自分の中で見えない縁ができてしまったようで、今になって再び中米へ。

今はグアテマラからコスタリカに移動し、自然の豊かさを満喫する日々。
ここで見たこと、感じたことを、お届けします。

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この前、立派な白菜を見つけたので思わず買ってしまった。
家に帰っていざ葉をちぎり始めてみたら、なんと生きたミミズを発見。
農薬をあまり使ってない証拠かな?と同居人たちと話しつつ、庭に放してやった。
この時は分からなかったが、実はもう1匹ミミズが葉の間に隠れていたらしく、
後日、冷蔵庫の野菜室で死体を発見することに…。

今回に限らず、こっちの野菜を買うと虫の姿を発見することは多い。
農業高校時代、ろくに農薬も使わずに育てた野菜を使って料理をすると、
いつも決まって虫がついていたものだ。
白菜を使って豚汁を作ったときなんて、いも虫がぽつぽつ浮いていた(笑)
でも、虫も食わないような野菜より、その方がずっと良い。

グアテマラにも、コスタリカにも、スーパーはある。
日本の田舎にあるような個人経営の小さなものから、アメリカ系の大型店まで。
確かに大概のものが一度に手に入って便利なのだが、新鮮なものを手に入れるなら、
やばり市場に行くのが一番だ。

買い物バッグを肩にかけ、財布をすられないように注意しながら、ヒトとモノの波を
掻い潜り、お目当てのものを探し出す。
形の良いもの、悪いもの、熟したもの、青いもの、そんなのお構いなしに積まれた
野菜や果物の山の中から、好きなものを選び出していく。
時には、「今日食べたいんだけど」「2、3日後に使おうかな」と相談すれば、
適当に見繕って渡してくれる。
必要なものを必要なだけ買えるもの、量り売りだから出来ること。

市場は、地元の人たちのコミュニケーションの場でもある。
土曜の朝にでも市場に出かければ、平日一緒に働いている同僚たちに出会ったり、
ご近所さんに遭遇したり、しばらく振りに友人と再会、なんてこともある。
あちこちで立ち話に花を咲かせている人たちを見かけるわけだ。
何十人、何百人という売り手の人たちが市場に集まるわけだが、大抵の人はもう、
パイナップルはこの人から、トマトはこの人、というように決めていて、
そこでもまた世間話で盛り上がる。

今住んでいる家の近くには、市場がない。
その代わり、少し歩いたところにある中央公園のところで土曜市が開催される。
1日限りの青空市場だ。
当たり前だが、スーパーで買うより安いし新鮮。
常設の市場にも、大抵は市の日というものがあって、その日は活気に満ち溢れる。
市の日以外にも買い物はできるが、生鮮食品に関しては品数も少ないし、
なにより鮮度が落ちる。
私の周りには、市の日にまとめ買いをして、それで足りないものが出てきたら、
スーパーでちょっと買い足して、というように、両方上手く活用している人が多い。

日本の実家の近所には、農家や農協がやっている直売所がちらほらある。
そこに行けば、近くで採れた新鮮な野菜たちに出会えるわけだ。
でも、こっちの市場とは比べ物にならないくらい小規模だし品数も薄い。
グアテマラやコスタリカのような市場が、日本のどこの街にもあったら素敵なのにな。
形が悪くて不揃いだって、新鮮でおいしいものが手に入って、人の輪ができる場所。

【プロフィール】

中村真菜美
名刺の肩書きはアースガーデン、ラテンアメリカセクター???笑
夏現場の制作でちょっと日本に戻ったりもしたけれど、中米に来て早2年。
大自然と異文化の中で過ごす日々。