【コラム|セネガルの生活】セネガルの雨季は、農業の時期。そして、マンゴーの時期。

こんにちは。青年海外協力隊員として西アフリカ・セネガル共和国の北部の地方都市で活動させていただいている山口織枝です。今回は、セネガルで大きく分けて2つある季節のうちの1つ、雨季である今の様子を書かせていただきます。

子どもたち。
子どもたち。

私事ですが、セネガルにやって来て、6月末で1年の月日が経ちました。1年と少し前、セネガルに来た頃も、雨季が始まる頃でした。セネガルにやって来て間もなく、3週間の語学研修があり、ティエスという首都ダカールより東に70km程に位置する都市でウォロフ語を勉強していた頃、沢山の雨が降り、時には道が川のようになって車が迂回して進む、というようなことがありました。今は自分の任地であるルーガ市におり、セネガルで2度目の雨季を経験しています。

セネガルの雨季は、農業の時期。そして、マンゴーの時期

セネガルには大きく分けて2つの季節、雨季と乾季があります。文字通り雨季には雨が降り、乾季にはほとんど雨は降りません。乾季は空気がとても乾燥して、洗濯物を外に干しておくと、1−2時間もすれば乾いてしまう程です。そして、私の任地ルーガ市では、ときに砂混じりの黄色い風が吹き荒れることもあります。セネガルは基本的に年中暑く、日本の夏のような気候ですが、乾季にはときに朝晩冷え込んで、長袖を着たり、毛布をかけて眠りたくなったりするような寒さを感じることもあります。

雨の降った後の道は固まって、少し歩きやすいです。
雨の降った後の道は固まって、少し歩きやすいです。

雨季はセネガルで多くの人が話す言語、ウォロフ語でnawet(ナウェット)と言います。雨のことはtaw(タオ、タウ)と言います。この季節人と挨拶すると、「Naka taw bi?」(雨はどうですか?)と聞いたりします。そしてよく聞かれるのは、「畑やっている?」という文句です。

畑仕事をする女性。
畑仕事をする女性。

雨の季節は、セネガルの人たちにとって農業の季節でもある、ということ。近隣の村の畑に行くと、落花生やインゲン豆に近しい種類の豆であるニェッベが栽培されています。そして、この季節は、黄土色の砂地が沙漠地帯であることを物語る乾季とは一変して、雨が降り始めた途端に景色に緑色が増えていきます。恵みの雨、生命の息吹を感じる美しい季節です。

雨の後は馬車が活躍しています。
雨の後は馬車が活躍しています。

また、この季節はマンゴーの季節でもあります。1年前、セネガルの家庭にホームステイをしながら語学研修を受けていたとき、そのお家の庭にあったマンゴーの木から、ボトッ、ボトッ、という音を立てて、時折マンゴーの実が落ちてくるのを見ていました。セネガルでマンゴーの季節は大体4月から10月頃だということですが、この期間は道で(本当に)山盛りのマンゴーが売られていて、よく熟れた「当たり」のマンゴーは、とっても美味しいです。セネガルに来たら、心行くまでマンゴーを食べて行ってほしい、そんな風に思う程、沢山の美味しいマンゴーがセネガルにはあります。

暑い日中、スコールで涼しくなる夕方

先日、セネガル人の友人が、彼女の親戚の住む近郊の村を案内してくれました。その村でもやはり人びとは畑を耕しています。私も一緒に少し雑草取り作業をさせてもらいました。セネガルは、正午頃から午後にかけて、日光が大地にさんさんと降り注ぎ、とても暑くなるので、やはり農作業も朝と夕方を中心に行われています。

夕涼みの人。
夕涼みの人。

この時期、雨の降る前、どこからともなく冷えた風が吹いてきます。雨は大抵の場合激しく一気に降り、1-2時間程降り続いたら、止むことが多いです。その間セネガルの人たちはよく雨宿りをしています。そして大抵雨の降った後は涼しくなります。湿気と熱気を帯びた雨季の空気が、その束の間、ひんやりと心地良くなるのです。しかし外に出ているときは急な雨には注意が必要です。(日本の梅雨のときなども、同じですね。)1年前の初めての雨季、私は何度か突然の雨にびしょ濡れになりながら、セネガルの人と一緒に建物に走り込んだ記憶があります。

年中真夏のようなセネガルでは、暑さの和らいだ夕方に朝の活気が戻ってくるような雰囲気があります。外で夕涼みをしている人もいます。それは雨季でも乾季でも同じこと。セネガルではカフェトゥーバと呼ばれる、コーヒーにスパイスとたっぷりの砂糖を加えた飲み物が道端でよく売られているのですが、それを飲みながら喋ったりしている人の姿も。

緑の季節はそのうちまた乾いた季節に変わっていきます。日本の四季とは様相は異なりますが、年中暑くて太陽の強い光の降り注ぐセネガルでも、季節の移り変わりを感じる日々です。

参考文献:Jean-Léopold Diouf (2003) ‘Dictionnaire wolof-français et français-wolof’,KARTHALA.k