三和土(土間)をDIYしちゃう【暮らしかた冒険家】って何者!?

「三和土」って、なんて読むか知ってる?実はこれで「たたき」と読む。いわゆる土間のことを言うのだが「三和土」を作る作業が、まさしくたたく作業なのだ。今の世の中、家に土間がある家庭なんて、そうそうないだろうが、さらに三和土をDIYしてしまおうだなんて、超ガテン系すぎる(笑)夫婦に今回は取材をしてきた。過去にも本誌に登場している伊藤菜衣子さんと、池田秀紀さんは、熊本にある築100年の廃墟ような町家をリノベーションしている写真家とウェブディベロッパーの夫婦だ。

三和土(土間)をDIYしちゃう【暮らしかた冒険家】って何者?

今後100年はこの家に住む人がいる

伊藤「築100年のこの家は、何世代も住む人が変わっていて、改修したあとがいっぱいある。綺麗に直した人と、いい加減にやった人の差が、分かったりするんだよ。自然乾燥の木造住宅って、築年数が木の樹齢になってからますます強くなると言われている。この家はちょうど今からが住み時だから、私たちの後にもたくさん住む人がいると思う。

三和土もコンクリートでやれば簡単なんだよ。でも、コンクリートの土間は、下に水が通る場所ができてしまうと、バキバキに割れてしまう。そしたらゴミになっちゃうんだよね。」

作り方、材料はシンプル。砂利を入れてならして、その上に土と塩化マグネシウムと藁を混ぜたものを引きたたく。それを2回繰り返す。たたきすぎて、池田さんは吐いたらしい(笑)
作り方、材料はシンプル。砂利を入れてならして、その上に土と塩化マグネシウムと藁を混ぜたものを引きたたく。それを2回繰り返す。たたきすぎて、池田さんは吐いたらしい(笑)

伊藤「本気で力をいれて叩かないと固まらない。あの日はホントに一日中叩いてたよ。たたいていると、土と水が分離されて、水が表面に上がってくる。それを繰り返して、三和土をつくる。ちなみに、作るときは若手の職人さんが手伝ってくれたんだけど、コンクリートを使わない方法が出来る人は、今ほとんどいないんだよ。

最近の建築業界では、クレームが来るものを作っちゃいけないというのがとても重要視されていて。今回みたいな作り方だと、土や水の配合は一定じゃないし、ハイリスクだから、出来る人はほんとうに少ない。今回手伝ってくれた職人さんはその貴重な一人。自然素材とか漆喰とかが注目されつつあるいる今ちゃんと知識がある職人は期待されてるみたい。

今の大工は農家と一緒で、というか、もはやそれより深刻で若くてちゃんとできる人がすごく少ない業界なんだ。」

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暮らしかた冒険家

しかも、この作業にお金がぜんぜんかかってないのがすごい。土は職人さんのところにあるものをわけてくれたらしいし、職人さんは2人の心意気に負けてただで手伝ってくれた。その代わり、家の外装の塗替えはその職人さんにお金を払って発注したり。これを全部作ってもらったら相当な金額になるだろう。その他の部分でも、ボランティア的に沢山の人が家造りに関わっている。

これもひとえに、この2人の近くにいると何か楽しそうというワクワク感ゆえだと思う。新婚旅行はこれからの暮らしかたを探すために西日本をくまなく旅したり、野菜を一生分もらえる約束の代わりに農家のウェブサイトを作ったり。

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