【レポート】ニューヨークの国連に参加して得たこと:イベントを開催すること、そして、ほっと一息つける「セーフスペース」の大切さ。

アメリカ・ニューヨークで3月13日(月)~24日(金)まで開催されていた国連女性の地位委員会(通称CSW)。今年のテーマは「変わりゆく労働の世界における女性の経済的エンパワメント」。世界各国から政府代表者やNGOが国連本部に集まり、テーマについて話し合うプロセスに、国際NGO日本YWCA(リンク)からも5名(内4名は30歳以下の女性)が参加しました。

エンターテイメント性の高い国連会議

国連会議、なんてお堅く聞こえますが、実際現場にはフェスのような盛り上がりがありました。ユースのみが参加できるYouth Forum(3月11日-12日)では、映像あり、ライブあり、マネキンチャレンジ(※)あり、オンラインでの投票あり。

国連のイメージを良い意味で打ち壊すような、エンターテイメント性に溢れていました。

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NGOもイベントを実施 -日本YWCAのケース

会期中は、世界各地の市民団体が連日イベントを開催。女性や少女の権利など、それぞれが取り組んでいる課題についてアピールをしていました。

日本YWCAは今回、初めて独自のイベントを実施。タイトルは”Young Women’s Leadership for Peace- Learning from ‘Pilgrimage to Hiroshima’”(平和に貢献する若い女性のリーダーシップ:「ひろしまを考える旅」からの学び)。平和学習プログラム「ひろしまを考える旅」(リンク)での学びを、参加の体験談、映像、音声、被爆者のことばのリーディング、バーチャル体験などを通じて共有しました。慣れない英語でたくさんのことを詰め込み、プレッシャーを感じつつも、多国籍な参加者との建設的なディスカッションを楽しみました。

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国連会期中に突如現れた、若い女性の発言が尊重される「セーフスペース」という場

また、NGOだけでなく、世界中の政府・国際機関もニューヨーク市内のさまざまな場所でイベントを実施していたので、どことなく町中が浮足立っている感じ。その場にいるだけでハイな気分になれます。ですが、CSWは2週間続くので、途中「ゆったりしたい、ぼーっとしたい」という気持ちに…。

そんな時に惹き付けられるように立ち寄っていたのが、”Egumeni Safe Space”。日本YWCAが加盟する世界YWCAが運営していたスペースです。ここはCSWに参加する女性、特に若い女性が自由に利用できるアットホームでウェルカムな場所。特に若い女性のためのスペース、としたのは、女性の人権向上を目指す場であっても、往々にして年上の女性や男性が議論の中心を占め、若い女性の意見が尊重されてこなかったことが背景にあるからです。

ここでは、自主的にイベントやディスカッションを設けても良し、誰かとお喋りしても良し、寝っ転がって過ごしても良し。けれど、「その場で出た全ての発言をきちんと聞き、尊重する」という唯一のルールは守ること。「私の意見も平等に聞いてもらえるんだ」と、大きな安心感の中で発言できることが、とてもエンパワリングなのだと気づかされました。イベントのない時間に立ち寄っても世界YWCAメンバーの誰かは常駐していて、目が回るほど忙しい会期中に、心からほっと一息つけるスペースとなっていました。

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※マネキンチャレンジとは、その場にいる全員が一斉にマネキン人形のように静止し、その様子をストップモーションのように撮影した動画のこと。 #mannequinchallengeで検索。