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児童養護施設で暮らす子ども・巣立つ若者を応援する「タイガーマスク基金」

2010年のクリスマスの朝、群馬県の児童養護施設に漫画「タイガーマスク」の主人公「伊達直人」を名乗る人物から、10個のランドセルが届きます。伊達直人が漫画の中で、度々、自分が育った個人を訪れ、タイガーマスクとしてリングで闘ったファイトマネーで子どもたちにプレゼントを届けていたエピソードになぞらえたこの行為は漫画やテレビアニメを観ていた世代を中心に大きな共感を呼び、全国各地の児童養護施設に多くのプレゼントが届けられました。

報道が児童養護施設の現状についても注目するようになると、子どもたちは孤児ではなく、虐待や育児放棄が原因で保護されたケースが多いことが反響を呼び、寄付や物品寄贈は増え、「タイガーマスク運動」という社会現象にまでなったのです。

一人でも多くの子どもたちに支援を届ける

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しかし、平成23年3月に起きた未曾有の東日本大震災で、社会的養護への寄付は激減していきます。「タイガーマスク運動」を一過性のブームで終わらせてはいけないと、平成24年の7月に漫画「タイガーマスク」の原作者である故・梶原一騎氏の奥様である高森篤子さんは、多額の寄付を投じ、漫画家の故・辻なおきさんのご家族や講談社に協力を仰いて「タイガーマスク基金」を創設されました。残念ながら、高森さんは昨年、病気でお亡くなりになってしまいましたが、そのご遺志は「NPO法人タイガーマスク基金」に受け継がれました。

返済不要・成績不問・面接もなく広く開かれた進学支援

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タイガーマスクのロゴマークを目印に子ども虐待防止の啓発活動社会的養護の子どもたちが抱える問題を広く一般に提起するための勉強会の開催、児童養護施設の子どもたちの支援など様々な活動を行っています。

そして、現在、力を入れているのが大学進学支援。「タイガー進学支援制度」として、全国の方々からのご寄付を、働きながら四年制大学に通う児童養護施設や自立援助ホーム、母子生活支援施設の退所者に返済不要の支援金として届けています。

これまで支援を届けた学生は、平成24年度から延べ271名。少数の子どもたちを選別して大金を届けるのではなく、一人でも多くの子どもたちに支援を届けることを目的としており、支援金額は大学入学年度に12万円、進級するごとに毎年6万円(一人当たり4年間で30万円)。全国どの地域からでも応募でき、返済は不要、成績不問、面接やスピーチコンテストもなく、他の奨学金との併用可能、使途に制限を設けていません。

児童養護施設出身の子どもたちの進学率の低さを変えていきたい

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平成25年度末に高等学校等を卒業した児童全体の大学等への進学率53.8%に対し、児童養護施設から大学等にした子どもたちは11.4%にすぎません(平成27年7月、厚生労働省発表『社会的養護の現状について』より)。

児童福祉法で児童とは18歳未満に定義されており、施設で暮らす子どもたちは、高校を卒業すると同時に自立を迫られます。様々な事情で、家庭で育つことができなかった子どもたちは家族に頼れず、施設を出たその日から衣食住の全てを自分で工面しなくてはなりません。

10代後半の若者にとっては、それだけでも困難であり、多額の学費を必要とする進学の道は、学力があっても、経済的な問題で断念せざるを得ないのが現状です。退所時に自立生活支度費として国からサポートされるのは最大でも276,190円が1回だけ。日本には公的な給付型奨学金はなく、家族に頼れない施設の子どもたちは保証人が必要な貸与型の奨学金を借りることも困難です。

民間団体や各大学独自の奨学金制度もありますが、獲得するのは狭き門。独自の支援制度を設けている自治体も増えてきましたが、そもそも、子どもたちは生まれる場所や育つ施設を選べません。「大人の理由」で施設に入り、「大人が決めた制度の都合」で施設を出なければいけない子どもたちが、人生を主体的に選択して生きていくには、大卒資格や専門分野の勉強が大きなチカラになります。

子どもたちの進学を支えるサポーターが必要

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タイガー進学支援制度で子どもたちを支えるのが「進学サポーター」。月々千円から無理のない範囲で4年間だけ継続してご寄付をいただく仕組みです。月々5千円で一人の学生の入学から卒業までを見守り(5千円未満のサポーターは複数人で一人の学生をサポート)、学生たちからは、タイガー事務局を通じて、近況報告が届きます。

企業サポーターも募集していますが、ほとんどが個人からの寄付。それも、年金暮らしの中から少しずつという方や、子育て中のご夫婦が教育の問題は他人事ではないと共感してくださる方、ボランティアをする時間の余裕はないが寄付で役に立ちたいという方が大半です。『自分も進学できず悔しい思いをした。若い人の夢を応援できるという張り合いができ、嬉しく思います。』というご年配のサポーターの方々は、学生たちに励ましのメッセージを送ってくださいます。

『顔も名前をわからないけれど、どこかで誰かが自分のことを気にかけていてくれる。』

進学を果たせても、大学とアルバイトの両立は難しく、一人暮らしの孤独の中では、こうしたあたたかいメッセージが励みになることもあるでしょう。国でもようやく「給付型奨学金」の議論が始まりましたが、制度ができるまでには時間がかかります。しかし、今すぐ支援を必要とする学生の未来を「寄付」で応援することができます。月々千円(一日約34円)を4年間だけ、あなたも「伊達直人」や「タイガーマスク」として、努力を続ける若者たちの伴走者になってみませんか。

また、こちらでは、いいねを使って簡単に支援ができる仕組みもあります。