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断絶を飛び越えて、 希望を掴む人のための一張羅【Botanic Greenインタビュー】

サスティナブル、スローに生きる。そういった一人ひとりの行動が、社会を変える。自然派のみなさんは、よくそう口にします。でも、それ、本当ですか?一人ひとりの投票行動の結果、誰がアメリカの大統領になったか、みなさんご存知でしょう?

草木染めを特徴とするインディーズブランド「Botanic Green」。福元卓也さん、理恵さん夫婦が、ヘンプ、オーガニックコットン、リネンなどの天然繊維を使ったオリジナルデザインのアイテムを作り出しています。こう言葉にすると、ふわっとしたシルエットに生成り色。シンプルなデザインのいわゆるアースな洋服が目に浮かびます。

でも、Botanic Greenはストリートと相性が良い、凝ったデザインにちょっと大きめのシルエット。いわば、森から生まれたストリートブランドです。オシャレなナイスミドルから、女子高生まで幅広い年代の方達に楽しんでもらっています。

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自然 × 街 / 高尾 × 原宿のハイブリッド

福元 僕も「ファッション」って、商業主義的で、本質的じゃないよねと思っていたときがありました。ヴィジュアルやインパクトよりも、環境負荷のこと、素材の特性のほうが大切だって。でも、そのことばかりの世界いたので、ちょっと食傷気味なっちゃったんですよ(笑)。それも勿論大事だけど、ただそれだけだと何か物足りない。

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理恵 3.11のあと、私たちの周りには、地方に移住した人が多かった。でも私たちはいろんなことを考えてみて、東京に残ったんです。なので「東京という場所で出来た洋服」を作りたいね、と二人で話し合いました。

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今、Botanic Greenは原宿と高尾の二拠点に事務所を持ち 、生活しています。

理恵 打ち合わせや都心での出店には高尾からは、やや不便でした。でも、原宿に事務所だなんて、想像出来ないなと思っていたんです。ただ…もしかしたら…もうちょっと頑張ったらできるかもしれない、と思えるようになったのは、彼の実験精神のおかげです。

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福元 現状を維持していくだけでは、だんだん後退してしまうと思うんです。 少しづつでも何かを試してみないと、つまらなくなるのであれば、ここでまた違う方向を目指してみようと。余計にいそがしくなるから止めたほうが良いとも言われました。中央線沿いの中間あたりの場所にしたらどうかって。でも、程よいところじゃあまり変化がないんです。高尾と原宿のコントラストがあるから、新しいインスピレーションが生まれる。

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理恵 無理かなぁと思っていたこの生活も、なんとか1年続きました。まだ不安がいっぱいだけど、仲間やお客さん達に沢山支えられていることを実感しています。

居心地のいいだけの場所に、希望はない

二人は、ストリートファッショニスタの人にこそ、自然素材の心地よさや、人を不幸にしないフェアトレードのことを知ってほしいと言います。

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今、世界は断絶しています。スローな人はスローな世界で生き、スローに関心の無い人は、同じ仲間に囲まれて生活している。お互いに、理解できる人たち同士で集まり、自分の信じるフェイクニュースをシェアしては、自己満足に浸る。

Botanic Greenの服は、スローとそうでない人たちの間をつなぐ役割を持っています。彼らはまだすごく苦労している。制作にかかる膨大な手間、価格の問題、発注先の減少。

でも、彼らの洋服がもっと売れるようになったら、それは、僕たちの希望だと思うんです。居心地の良いだけの場所に希望はないから。Botanic Greenは、断絶を飛び越えて、希望を掴もうとする人たちのための一張羅。そう、思うんです。