樫村ふぁーむをはじめた健司さん

【インタビュー】樫村ふぁーむの「自然が持つ生命力を手助けする農業」とは

40年間、農薬、化学肥料を一切使わず農業をおこなう茨城県日立市の「樫村ふぁーむ」。樫村家のみなさんとパートさんが毎日農作業をして、安全でおいしい作物を作ってくれています。アースガーデンにもたびたび出店してくれている樫村ふぁーむをはじめた健司さん、そして流通や出店部門を担当する健生さん、健司さんと一緒に畑で作業をする智生さんの3人にお話を聞いてきました。

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野菜は勝手に育っていく

健司さんは、18歳のときにお父さんが倒れ、家業である野業を継ぎました。運良くカルフォルニアへの農業視察に行く機会に恵まれ、アメリカの大規模農業を目の当たりにします。そのときに感じたのは「量ではなく、質で勝負をする」ということ。当時、農薬による健康被害や土壌汚染が問題視されていたこともあり、無農薬での農業に挑戦しました。

樫村ふぁーむをはじめた健司さん
樫村ふぁーむをはじめた健司さん

健司:土の中にいるバクテリアがちゃんとバランスするように、生態系を整えてあげることが、俺らの農業。もちろんはじめから農薬、化学肥料を使っていない。はじめたころは、大根やサツマイモ、土が持っているチカラが多少弱くてもできるようなものが中心だったけど、土がだんだんと肥沃化されていって、生態系ができてきた。今は土が持っている本来のチカラが育ってきているから、トマトも、キュウリも、ナスも、ピーマンも、とても良い質のものができるようになった。

智生:ぼくたちの仕事は、野菜がもっている本来の生命力を、少し助けてあげるくらいなんです。

健司:そう。農家の仕事というのは、結局、植物の本来もっている生命力と、土が持っている土壌生態系、その環境を整えてあげること。作ってるなんて言ったら、怒られるかもしれない。野菜そのものだけでちゃんと、成長しているわけだから。

智生:時期を外さないことは大事です。1週間遅れただけでも、虫の被害が大きくなってしまいます。苗と初期生育で、出来上がりの7~8割は決まります。そのあとは、あんまり手をかけすぎてもいいものになりません。でも、手をかけなすぎてもきれいに育たないから、そこは経験ですね。

健司さんと一緒に畑で作業をする智生さん
健司さんと一緒に畑で作業をする智生さん

健司:間引きは怠らないようにしないといけない。

智生:初期の頃から、除草をすれば、虫食い被害はずいぶんと減らすことができます。周りの草が伸びてくるから虫がたくさん発生するんです。

健司:風のチカラってすごいんだよ。雑草が生えると風が通らなくなるから、虫が発生する。風通しを良くすれば、虫も出ない。自然の法則には、だいたい理由がある。例えば、キャベツが一列なっていて、一つだけ虫にやられている。なんでかなって思って、ぬいてみると、下に根が張ってない。もっと掘ってみると石があった。ちゃんと理由があるから、対処の仕方も分かるんだよ。

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自然のチカラをうまくサポートすることで、おいしい作物がそだつ。その道筋はもちろん平坦なものではなく、挑戦は今なお続いています。最近では無農薬で育てているとは信じてもらえないような見た目にも美しい野菜ができるようになったと言います。

産地のもの、旬のものが一番

健生:僕たちは生まれた時から、こういう野菜が当たり前だけど、一般の家庭ではそうじゃないことが当たり前だと思う。そんな状況で、食の安全や安心を伝えていくってことは難しいです。

流通や出店部門を担当する健生さん
流通や出店部門を担当する健生さん

健司:そもそも、食べ物に関心がある人が少ない。マスコミが中国産はよくないっていうから買わないとか、その程度。添加物も防腐剤も当たり前になってしまっているし。

健生:でも、中途半端な知識に惑わされるのも怖い。例えば、出店していると「これは在来種の種ですか?」と聞かれる。なんで在来種のほうがいいのか聞いたら「在来種のほうがおいしいってネットで見た」って言われて。自分の舌で確かめたわけでなく、知識だけで判断しちゃう。

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健司:インターネットに載っていることは、正しいこともあれば間違っていることもある。自然は教科書通りにはいかないんだ。この地域では正しいことも、別の地域では間違っていることもある。環境や風土、気候とその作物の相性がいいから産地があるわけで、産地のものは当然おいしい。

自然から学ぶ農業はおいしくて、栄養もあって、たくさんの人がハッピーになれる。樫村ふぁーむの野菜が気になった人は、ぜひウェブサイトをチェック。

樫村ふぁーむは
earth garden “秋” 2016に出店します