官邸前抗議からせんきょCAMPへ、夏フェスから地域フェスへ、アースデイから暮らしへ、そして“祭ゴト”のそのあとへ

三宅洋平/選挙フェスの爆発的な反響は、オルタナティブな仲間たちの輪を超えて一般の人々に届きつつあり、僕が熱に浮かされるように書き上げてアップした前記事への反響は、たった3日間で閲覧者数4万人近く、SNSの「いいね&RT」の合計も1万7千を超えるというコミュニティレベルでは熱狂的なものになりました。

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それでも、比例全国区のハードルは100万票です。冷静になればヒトケタ違う反応が欲しいのが現実でしょう。

この1ー2日で、やっとマスコミからの取材依頼が来るようになったそうですが、いかんせ時間がない。明日の新聞紙面に載っても木曜日、明後日なら金曜日。一般の人々の意識への浸透が、どこまで追いつくのかは、本当に未知数。何しろ投票日はもうたった4日後です。

けれども、今たった今も現在進行形の選挙フェスが現してくれた姿、三宅洋平があらためて語ってくれたコトバには希望があります。それ以上に時代の必然だと感じます。

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自分たちが毎日使うものは、誰がつくってるのか?
環境や第三世界の人に迷惑をかけていないか、
丁寧に選んで納得して選んで身につけたいよね。
今、俺が着ているのはオーガニックコットンのTシャツなんだけど、
そうやって選んだものは胸張って気持ちいい。
こうやってみんなの前で着ようって思えるチカラが宿る。
これが、オレの正装なんだよ。
一生モノをいっぱい集めよう。
値段が高いって思うかもしれないけど、
俺たちの財布の中身が、3000円減るか5000円減るかなんて、
地球には関係のない話なんだよ。

地球環境やエコロジーを語る政治家はこれまでも沢山いましたが、こんなにわかりやすく、あたり前の言葉で等身大に語る若い候補者を他に僕は知りません。

まあ、言葉使いは少々乱暴なのですが(苦笑)。

これまでの政治の言葉や文化とはちがうところから生まれ、
立候補者という立場も超えているから広がる、政治への新しいムーブメント

官邸前抗議からの爆発的な脱原発のうねりの中、そのプロセスに深く関わり8月末の野田総理との面会にも参加した僕自身は、あらためて民主主義を考え向かい合うことが必要だと思いました。

そして年末の衆院選に合わせて渋谷の街中からの政治参加ムーブメント「せんきょCAMP」を立ち上げ、俳優 伊勢谷友介さんの「クラウドガバメントラボ」や、10代の政治参加グループ「僕らの一歩が日本を変える。」など、多様な新しい意識の若者たちと加速度的につながっていきました。今まさに、目の前で芽を出し始めている、新しい世代の政治、参加型民主主義の成長を目の当たりにした半年でした。

そうした中、今回の参院選のまっただ中に飛び出してきた、選挙フェス/三宅洋平の存在には興奮します。彼の発する言葉や姿に、これまでの政治の言葉づかいを超える新しい息吹を感じるからです。

そのダイレクトなライブ感、誰もが参加できるオープンなあり方、ポストバブル世代だからこそ語れるオルタナティブな意識、ボランティアをドンドン巻き込んでいく勢いと心遣い、参加型民主主義を自然に飲み込んでいる、新しい心のあり方。

時代の色んな要素が必然が、彼を真ん中にしたウズの中に透けて見えてきます。

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photo by 宇宙大使☆スター

オレはもう信じる、警察、右翼、安倍総理。
みんな同じようにこの国を想っている。
日の丸が大好きなのか、山本太郎が大好きなのかの違いだけ。
こんなこと言えば、自民党の人達は
『オレ達がどれだけ苦労してきたと思っている!』って
怒るかもしれないけど、でもバブル以降に生きてきたオレ達は
お金や成長の恩恵にあずからずに生きてきたから
ちがう豊かさを見つけられたんだよ!
経済成長はしたらいいと思うけど、
それが各国との競争である必要はないよね。

自民党のオジサンたちとも、愛ある形でちゃんと口ゲンカしたい。
ちゃんと議論したい。言葉の粋をつくして闘うんです。
その先にあるのは全員の和合、幸せ。
一つになるために話し合うんだよね。

きっかけは作りますよ。でもやるのはみんな。
『洋平さん、頑張ってください!』って言われると、
寂しくなるんだよね。これ以上がんばれない、頑張ったら死んじゃう。
頑張るのは、そう言ってくれたキミ自身なんだよね。
三宅洋平みたいなのが100万人いるから、
それを国会に送るんじゃないといけないよね。

ミュージシャン三宅洋平、10年の活動が生んだ選挙フェスの広がり
草の根の野外フェスカルチャーと共に、日本全国へ

この10年強のカルチャーの象徴のひとつに、フジロックを筆頭とする野外音楽フェスティバルの成長と定着があります。

フジロックの始まり以降2000年前後から、野外会場で数万人レベルの音楽フェスティバルが次々と誕生し規模を拡大していきました。そしてその先のこの5年ほどで定着してきたのが、日本中さまざまな地域、会場の特色や個性を活かした数百人から数千人規模のローカルフェスの広がりです。

元々、三宅洋平はミュージシャンであり、フジロックを筆頭とする数々の音楽フェスに出演してきた、フェス世代の筆頭とも言える存在です。知名度こそ高くはないものの、そのライブのクオリティと独特の存在感で、全国各地の中小フェスにひっぱりだこの存在でした。

そうしたこれまでの仲間たちとの全国各地域でのリアルなつながりがあるからこそ、東京を離れ名古屋、京都、神戸、広島、福岡、札幌、仙台と、「選挙フェス」が全国各地をめぐって盛り上がり続けています。

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これからの時代は、テクノ、ヒップホップ、ロック、パンク、
ソウル、トライバル、民謡、全部もう一緒だよ。
僕たち、政治や世界に先がけて先にもうみんな一緒になって、
ひとつになって、やってますよって言いたいよね。
永田町に行って教えてあげたいよ。

ちまたの選挙見ているとさ、これオレ達でもできるよなって
思ったんだよね。フライヤーつくって、モノ伝えて、
人に動いてもらうって、オレ達がフェスやイベントで
やってきたことなんだよね。得意分野だよ、オレ達の。

選挙フェス、“祭ゴト”のその先へ
オルタナティブな暮らし、僕たちの文化、新しい政治を。

ここまで、ある種の時代の必然の中で現れてきた「三宅洋平」という存在を語ってきましたが、この“祭ゴト”の盛り上がりの一方で、その祭の終わりもまた目の前です。泣いても笑っても、4日後にはフィナーレが来ます。

昨年夏、あれだけの盛り上がりを見せた脱原発へのうねり「官邸前抗議」は、今も毎週金曜日に数千人が集まり、数ヶ月おきに万単位の人々が集まり続けています。せんきょCAMPも8月からの連続企画に向けて既に準備中です。

2000年代に各地で広がったエコイベントの代表「アースデイ」は日本での本格スタートが1990年。市民によるフェスティバルの先がけとして生協や組合、市民運動のグループの皆さんが始めた場ですが、今のカタチで成功するのに10年以上のステップが必要でした。それも元々のスタート1970年アメリカの学生達が始めた場づくりがあっての歴史です。

三宅洋平がアースデイに出演したか、記憶が定かではありませんが、彼が複数回にわたって出演している僕たちの場「アースガーデン」は、間違いなくアースデイの意志をつなぐ場なので、ここでこの話しを引くことにあまり問題はないでしょう(笑)。

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7月6日渋谷ハチ公前での選挙フェスの街頭ライブで、三宅洋平は同じ日に代々木公園で開催されていた、「アースガーデン」のことを“ホーム”と呼んでくれました。

彼が言う“ホーム”は、仲間が集っている「僕たちの文化と暮らしの拠り所」ということだったと思います。

その仲間たちはそれぞれに、この日本という芳醇な国の各地で暮らし、家族を愛し、自然を愛し、コミュニティのために仕事を頑張り、時には小さな祭/フェスティバルを楽しんでいます。

あたり前のことですが、そのことこそが何よりも大事な素晴らしいことであり、そこで活躍する若者たちの意識が、三宅洋平の今回の動きで、どれだけ揺さぶられているか、その意味がどれだけ大きいか。

それを思うと、僕は未来への可能性に気持ちが震えます。

「祭政一致」って言葉があるけど、祭はもともと政(マツリゴト)。
古代でいったら、歌ってしゃべれる人が政治家だったんだと。
選挙は戦いじゃないから、祭だから。俺は「選挙戦」って言葉もキライ。
「出馬」って言葉もキライ。今日はオレ達の“船出”。
俺が当選するかどうかなんて、これから起こることのちっちゃな副産物、
通り道にすぎないんだよ。もうこれは止まらないから。

なんにも特別な気構えも気負いもいらない。
今までのオレ達のままで、そのままで、
今までやってきたことを、そのまま自信を持って、
ちょっと永田町の方に顔を向ければいいんだよ。”