渋谷三丁目にお城があった!? / 岡田准一と宮崎あおいの出会いの場は渋谷3丁目!?【渋谷の秘密教えます!】

隙間なく開発され、よくも悪くも過密な渋谷ですが、アースガーデンオフィスとキミドリがある渋谷三丁目はまだまだ隙間が多く、900年前から渋谷を見守る金王神社があり、ラーメン激戦区であり、クラブやギャラリーもあるカルチュアルな街でもあります。そんな渋谷三丁目の豆知識をお伝え!

※2012年12月発行のフリーペーパーより掲載

credit: mossygajud via FindCC
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渋谷にもお城があった!?

今では想像もできないけど、確かにあったらしい。地名の由来「澁谷さん」の城。

wikipediaより

その砦の石は今でも金王八幡宮に残されている。

遡ること920年、河崎基家さんは、戦で手柄を立て「谷盛庄」という今の渋谷・代々木・赤坂・飯倉・麻布・一ツ木・今井を与えられ城を築いた。その息子重家は天皇がいる宮中で警備にあたっていた。ある夜、重家は盗賊たちを捕まえた。その盗賊は「渋谷権介盛国」と名乗り、天皇は重家の活躍を讃え、さらに宮中に賊に入った盛国もあっぱれと重家に渋谷の性与えた。

捕まえた盗賊と同じ名前をもらうのが名誉だというのは、今の感覚では変な感じだが、1000年も前の話、今の常識は通じない(笑)

その澁谷さん一族が代々住むお城は、現在の渋谷川、渋谷ヒカリエ、渋谷警察署と八幡通りに囲まれた渋谷2丁目・3丁目が敷地だったらしい。金王八幡宮はその城の中心だったのだ。

天地明察」の舞台は、金王八幡宮

岡田准一さんと宮崎あおいさんが共演したことでも話題の「天地明察」という江戸時代を舞台にした小説の冒頭で、主人公の渋川春海は当時のタクシーである駕籠者に「宮益坂にあるという、金王八幡の神社に行きたんだ」と伝える。



天地明察とは、庶民の暮らしに直結する日本オリジナルの暦をつくるため、粘り強く朝廷に挑んだ天文学者の話。

ここは、算額奉納がとても盛んだった神社で、当時の数学者達が、自分の研究を絵馬に記して”発表”していた。中には、長年の保存に耐えられるように立派な額に数学を記し、奉納した者もいた。春海はそんな算額奉納の噂を聞きつけ、金王八幡宮に足を運び、宮崎あおいが演じる後の妻「えん」と出会う。

映画には、物語の重要な場所して幾度も神社の名前が出てくる。現在の金王八幡宮には無料で入れる宝物館があり、現存する算額を見ることもできる。

こちらが算額