【コラム|セネガルの生活】たくさんの人が赤ちゃんを祝うために集まる!生誕の儀式「ンゲンテ」

こんにちは。青年海外協力隊隊員として、西アフリカ・セネガル共和国にて活動させていただいている山口織枝と申します。今年もどうぞよろしくお願い致します。

今回は、新生児が生まれたときのお祝いの儀式に参加したときのことを書きました。

※トップ写真はイメージです

沢山の人が、赤ちゃんを祝うために集まる

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先日、友人から知らせてもらって、家の近所で行われた「ンゲンテ(ngénte)」という、赤ちゃんが生まれたときのお祝いの席に、少しだけ参加した。

セネガルは、赤ちゃんや子どもが、とても沢山いる。肌感覚で言って、少子化の進行する日本よりも、道を歩いていて遥かに沢山の子どもたちに接する。

そんなに沢山子どもがいるにもかかわらず、生誕の祝いである「ンゲンテ」には、沢山の人が参加していた。

ひとりの赤ちゃんが生まれたことを祝うために、こんなに沢山の人が集まる。

そのことにまず、驚いた。日本でも、生まれた赤ちゃんを家族や友人に見せて、祝福するということは一般的だと思うけれど、近所の人たちがこんなに大勢集まって、お祭りのような様子を呈しているのは、あまり見ない光景だと思う。

命の誕生は、大きなイベントなのだな、と思った。

命の生まれる大切さ

私は、途中から参加したので、最初のほうの儀式は見ていないのだけれど、途中、とても綺麗な身なりをした女性が、車に乗って登場した。

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生まれた赤ちゃんのお母さんだった。

周りの人たちは出てきたそのお母さんを囲み、花道のように、長い布を地面に広げ、緊張した面持ちのお母さんは、そこを通って行った。

赤ちゃんは見当たらなくて、どこにいるのだろう、と思って、友人にたずねたら、後に、部屋にいた赤ちゃんを運んできてくれて、抱かせてもらった。

赤ちゃんはすやすやと眠っていた。

思ったよりも、軽かった。でも、とても温かかった。

この小さな赤ちゃんのためにこれだけの人が集まり、そのことを共有する。

それは、命が生まれるということの意味の大きさを物語っているような気がした。

ンゲンテの途中で、泣いている人を見かけた。

感極まって、泣いていたようだった。

セネガルの乳幼児死亡率の高さは、193カ国中49位

世の中に生まれてくること、生きていくこと、そして、生きているということ。
それは普段意識しないくらい、問うまでもない程、自然なことであるのかもしれない。

あるいは、ある人にとって、生きていくということは、日常の苦楽を意味するのかもしれない。

けれども、その自然なこととしてある毎日や、生まれて来るということ、そして生きていくこの日常の日々というのは、本当はとても神秘的で、そして奇跡的なことなのかもしれない。

ユニセフの報告しているデータ(*)では、2015年時点で、セネガルの5歳未満の乳幼児死亡率は、1000人当たり47人で、193カ国中49位。日本の5歳未満の乳幼児死亡率は、1000人当たり3人で、193カ国中182位。

この国で、無事に生まれて、生きていくということの重みは、こういう数字からも、読み取れるかもしれない。でも、日本では、企業の長時間労働による若年者の過労死が、ニュースとして取り上げられていたりする。

この世界を感じること、吸収することは、喜び

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生まれて来るということ、生きていくということの重みと、その奇跡。

ンゲンテに集まった沢山の人たちや、泣いていた人、そして生まれたばかりの小さな命のことを思い出しながら、そのことについて、思いを巡らせざるを得なかった。

生きていくということは、凸凹していて、とても強く、ときには苦しみや不条理を伴うことかもしれない。

それでも、この世界を感じること、吸収することは、喜びなのだと、思う。

生まれ生きるということの不思議さと奇跡に対する、祈りにも似た感情を抱きながら、ンゲンテに誘ってくれた友人に、感謝している。

最後に、2017年という年が、素晴らしいことの沢山ある年となることを、お祈りしています。

*UNICEF「Committing to Child Survival: A Promise Renewed 2015」( https://www.unicef.org/publications/files/APR_2015_9_Sep_15.pdf )を参照。

参考文献:Jean-Léopold Diouf (2003) , ‘Dictionnaire wolof-français et français-wolof’ , KARTHALA.