【コラム|セネガルの生活】レモンジャム作りで女性のエンパワーメント

こんにちは。青年海外協力隊員として西アフリカ・セネガル共和国で活動させていただいている山口織枝です。今回は、先日行ったジャム作りのことについて書かせていただきたいと思います。

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レモンジャム、作ってみました!

先日、私の任地の町から30キロ程離れた位置にある、私の同期隊員の任地であるサカルという村の「Centre Social」という女性団体で、レモンジャム作りのワークショップをさせてもらいました。

セネガルにはレモンの木は割と沢山生えていて、一般家庭の庭にもレモンの木があったりします。セネガルの国民的な料理チェブ・ジェン(「魚ご飯」を指す、煮込んだ野菜や魚のだし汁や油、トマトペースト等で、蒸したお米を煮込み、お米の上に煮込んだ野菜や魚をのせて供される料理。)にもレモン汁をふって食べたりしています。市場でもレモンはいつも売られているもののひとつです。日本で一般的に見られるフットボールのような形の黄色いレモンより大きさは小さく、形が丸形なものを、こちらではよく見ます。

ある日、その同期隊員を介して、セネガルには美味しいレモンジャムが売られているらしい、との情報を耳にし、商店に売られていたレモンジャムを買って食してみました。そして、作ってみようかな、と思い、同任地の先輩隊員にも協力してもらい、インターネットで調べたレシピを元に、皮を剥き、砂糖とともに火にかけ、煮詰めていきました。

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ところが、出来たレモンジャムは苦みの強いものでした。皮むきの作業はとても時間がかかったのに、残念な出来栄えに・・・。

そこで、先輩隊員の提案で、次は中の薄皮もとってから作ってみました。すると、手間は増えてしまうのですが、苦みが消えて甘くて良い感じの味のジャムが出来ました。

女性のエンパワーメント

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私は前々から個人的に、女性のエンパワーメントにつながるような活動に関心があったので、女性たちと共に何か出来ないかな、ということを考えていました。また、私の任地でもよく耳にするのですが、家庭の中で男性が地域内ではなく現金収入がより手に入りやすい首都ダカールやヨーロッパ諸国へ出稼ぎ労働に出てしまい、女性がその現金収入を頼りに生活をしているというケースが、多くあるというのも事実です。

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同期隊員の任地である村に女性団体があって、女性たちが集まって活動しているということを知っていたので、今回、そこで活動させてもらうことを思いつき、その団体の人に連絡し、女性たちに告知してもらい、準備しました。

ジャム作り開始!

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ジャム作りの当日、始まる予定の時間になっても、中々女性たちが集まってこず、鍋などジャム作りに必要な道具の置いてある部屋の鍵を持っている人も来ていなかったので、どうしよう…、と思いながら、出来る作業から始めていくことにしました。なるべく団体の所にあるものを使って活動したほうが良いと思っていたので、最小限の道具しか持ってきておらず、同期隊員にボウルなどをわざわざ家から持って来てもらい貸してもらって、作業に取りかかりました。

レモンを洗って皮をむく作業を開始すると、ぽつぽつと、女性が集まってきました。ほっとして、女性たちに手順を説明しつつ皮むき作業をしてもらいました。

普段、女性たちが料理するときの様子を見ていて、私は単なる予想で、「きっとさくさくと、私がするより早くレモンをむいてくれるはず!」と思っていました。するとその予想は当たって、手際よくレモンの皮を剥き、薄皮をとる作業も要領を得た様子で思った以上にスムーズにことが運んでいきました。

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途中で、家のレモンを持ってきても良いか参加者の女性に聞かれ、その人のお家のレモンも足すことにしました。そして、砂糖を足し、煮詰め作業。ぐつぐつとガスでレモンを煮詰めますが、火を止めるタイミングがなかなか難しいです。早すぎると水気が多くなってしまうし、遅いと固まりすぎたり焦げたりしてしまいます。今回は「今!」という感じで私が火を止めましたが、気持ち早かったかな、という感じで、ゆるめのジャムになってしまいました・・・。しかし、途中でも味見をしたのですが、出来上がったジャムの味は良い具合に仕上がりました。

女性たちが頑張って、丁寧に薄皮をとり、種もほぼ取り除いてくれたので、果肉の純度の高いレモンジャムに仕上がったのだと思います。女性たちに出来上がったジャムを持ってきてもらった容器に平等に配るのは、女性たちが威勢よく詰め寄って(?)来ている中だったので、少し大変だったのですが(笑)、美味しいジャムが出来てひとまず良かったと思いました。

今度は縁あってこのレモンジャム作りを自分の任地の女性団体でやらせてもらうことになりました。

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肝心のセネガルの庶民の人たちがジャムの味を気に入ってくれるか、そこはやってみないと分からないところですし、他にも色々な課題があるのですが、任期の期間中に、何らかの形で販売できたらな・・・と少し思っていたりもします。セネガルの女性たちはとても力強いのですが、レモンジャムというかたちではなくとも、女性のエンパワーメントに自分も少しでも関わることができたらな、と、思っています。

最後にこの場を借りての御礼ですが、一緒に活動してくれた先輩隊員の高野夏実さん、写真撮影と活動に協力してくれた同期隊員の浦部逹広さん、ありがとうございました!!

活動協力:セネガル・平成26年度3次隊・ルーガ市・野菜栽培隊員・高野夏実さん
写真撮影及び活動協力:セネガル・平成27年度1次隊・サカル郡・コミュニティ開発隊員・浦部逹広さん