東北からさらに広がる大漁旗 !田中鉄太郎さんが語る「funade ~結日丸~」【追記あり】

東日本大震災の直後から、石巻にボランティアをしにいった服飾デザイナーである田中鉄太郎さんは、現地で『funade 〜結日丸〜』というブランドを立ち上げ、現地のお母さんたちとものづくりをして、お店もオープンさせた人。肩書は「funade 〜結日丸〜」船長。復興という目的地に向かう船を自ら作り、海に浮かべ、舵を取り続けている、まさしく船長です。そんな田中さんのNEXT STAGEは『大漁旗』の可能性を広げていくこと。

URBAN RESEARCH JAPAN MADE TOHOKU

URBAN RESEARCH JAPAN MADE TOHOKUに「URBAN RESEARCH JAPAN MADE × Alexander Lee Chang × FUNADE」のスケートボードがラインナップ。

石巻のブランド「FUNADE」が大漁旗をカットし、そちらをプロスケートボーダーであり、ファッションブランドのデザイナーでもあるアレキサンダー・リー・チャン氏がコンプリートデッキとして仕上げたURBAN RESEARCH JAPAN MADEのスペシャルデッキとして販売します。

映像にも田中鉄太郎さんが出演されています。

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「震災直後に譲っていただいた300枚の大漁旗も、いよいよ100枚を切ってきて、さぁどうするかと。大切にしてきたのは、継続性と復興支援に甘えないものづくり。そのためには、土地に根付く素材を使っていくことが必要だよね。大漁旗も一点ものだから、使ったらそれで終わり。だから、体制を変えていかなくてはいけないと思って。しかも、俺がいなくても回っていくようにしていかなきゃいけない。でも、俺がそう思っていても、お母さんたちがやりたいかどうかはわからない。だから、お店のオープン2周年のときにお母さんたちの気持ちを聞いたんだよね。そしたらすごくやりがいをもってくれていることが分かって。大漁旗の色に助けられたって。グレーの世界にいたけど、鮮やかな色使いに元気をもらったって言ってくれて。それならこれからも、続けていこうと決めた。」

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日本の漁村では進水式のとき、海上の安全と豊漁の願いを込めて知人、友人、親戚、漁師仲間から贈られる祝いの旗として大漁旗を贈る風習があります。つまり、大漁旗の一つ一つが、存在した船の証。とても尊く意味深い、そして石巻に根付いた素材である大漁旗。

「今、計画しているのは『祝い』に特化したラインを作ること。例えば、結婚式に使う袱紗(ふくさ)とか、リングピローとか、蝶ネクタイとか、子どもが生まれたときに使えるものとか。素材の持つ意味と、それを石巻のお母さんが作ること、そしてそのブランドの名前が『funade』であること。全てつながってくるでしょう?」

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残り少ない大漁旗に関しても、今までは譲っていただいたものしか使っていなかったそうですが、積極的にもらいにいく体制を整えていくとのこと。また、他業種、他の作家さんとのコラボも増えているようです。

「洋服だけじゃなくて、インテリアとかいろんな場面に大漁旗があるといいなと思っているんだ。実際にART CRAFT PARTY(陶器とステンドグラスを作る姉妹のクラフト作家さん)と一緒にものづくりをしてみて、すごく評判がいいよ。震災直後のお母さんが、大漁旗に励まされたのと同じように、作家さんにとっても、お客さんにとってもいい効果があると思う。日本の浜文化と共に、いろんなカタチで全国に広がっていくようになるといいな。」

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海に育まれ、海に破壊され、そしてまた海に育まれる津波の被災地。その象徴のような『funade ~結日丸~』は、新しい航海を始めました。earth garden ”夏” 2015 でも、僕達のできる方法で可能性を広げたいと思い、大漁旗を使った会場装飾を予定中です。東北からやってくる鮮やかな色使いにあなたもきっと感じるものがあるんじゃないかと。どうぞ、お楽しみに。