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合言葉は”Yes! I’m here.” ポップなデザインで授産品から商品をめざす「KOMONEST」

2014年の冬のアースガーデンにて、子どもの書いたようにも見える不思議でかわいいイラストが目立つグッズを販売するブースがありました。カレンダーやトートバッグ、コーヒー豆、Tシャツなどが販売されているそのブースの名前は「KOMONEST」。よく話を聞くとなんと、知的障がい者の方が通う福祉施設だそうで、なおさらそのデザイン性の高さにびっくりしました。

KOMONESTは、小茂根福祉園が企画・製造している商品のブランド名で、KOMONEは地名、NESTは巣を意味します。ここの福祉園は2階建てになっていて、2階には比較的軽度の知的障がいを持つ方が仕事の訓練に来ており、1階には重度の方が生活をしています。すなわり2階の人にとってはここは巣立っていく場所であり、1階の人にとっては安心を提供できる巣のような場所なのです。そんなこの建物を巣に見立て、ブランド名を作られたそうです。

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Yes! I’m here. と宣言する

KOMONESTのグッズにはいたるところに”Yes! I’m here.” と書かれています。これには「 健常者でも障がい者でもない “私” がここにいるんだ。」という宣言であり、そう宣言しなければならない理由があります。

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福祉の業界では、特殊な業界用語のような言葉がたくさん出てきます。例えば”親なき後”という言葉を聞いたことがありますか?親が亡くなった後、施設に通う方々がどう生きていくかということなのですが、ひとつの慣用句のように使われていてパッと聞いただけではわからない。そもそも福祉サービスを受けている方を “利用者” と呼ぶのも、ちょっと違和感がありますよね。このように福祉施設と多くの人の間には文化の壁があって、それが例え自分の生活する街にあったとしてもとても遠い存在として認識されてしまっています。

毎年好評のカレンダー。2015年からは毎年ファイリングできるようになりました。
毎年好評のカレンダー。2015年からは毎年ファイリングできるようになりました。

授産品から商品へ

さて、福祉施設にてさまざまなモノづくりが行われていることは、多くの人が知っているかと思いますが、正直、買いたいほどの商品があるかといわれると、、なかなかうなずけないですよね。福祉施設で作られているものを “授産品” と呼ぶそうです。これにも文化の壁を感じますが、授かり生まれるものとは、なんとも言えない遠回りな言い方です。こういった授産品が生産される背景には職業訓練のプログラムがあります。小茂根福祉園でもそうですが 、障がいが軽度の方は職業訓練を福祉施設にて行い、就職をして自立を目指します。そういった方の訓練として、陶芸や裁縫などが行われて、その結果、売るために考えられた”商品”とは言い切れない授産品がたくさん生まれるわけです。

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チョキチョキ切ったり
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ミシンで縫ったりするのも、障がいを持つ方。個人の特性に合わせて担当があります。
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出来上がりはこんなかんじ。

ただ、そういった施設が怠けているというわけでは決してありません。職員さんはもともと福祉関係の学校出身者が多く、モノを売ることに長けているわけではありませんし、福祉=非営利という概念も根強く、売り上げを上げていくことに対する拒否感もあります。しかしながら、現状、福祉作業所で働く障がい者の全国平均月収は1万3000円。障害者年金がもらえるとはいえ、とても生活できる金額ではありません。

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障がいを持つ方が描くイラストを、デザイナーがさまざまな商品へしていきます。
山と湖。アウトドアなイラストを描いています。
山と湖。アウトドアなイラストを描いています。

KOMONESTでは、授産品から商品へとモノづくりを引き上げるべく、デザイナーさんともに企画・生産を行ったり、地元の企業とのコラボレーションを通じて新商品の開発なども行っています。もちろんここまでの道のりは決して平坦ではなく、KOMONESTというブランド名をつけて7年たった今、やっと土台ができてきた段階だそうです。

とはいえ、KOMONESTの商品は非常にレベルのが高く、かなり買いたくなる仕上がりになっています。僕はKOMONESTのコーヒーが大好きで、コーヒー豆を毎回購入していますよ。earth garden “夏” 2015では、ぜひ商品を手にとってみてください。