還暦になっても来ればいい。辻コースケ と 沼澤 尚 が語る「10年を迎えて。自らを開放する場所へようこそ。」

Natural High! 10周年を記念して、初回からずっと参加していただいている、パーカッショニストの辻コースケさんと、世界を股にかけて活躍するドラマー沼澤尚さんに対談をお願いしました! 対談場所は川崎市元住吉のPowers2での辻+沼澤+内田直之(Mix)によるガチンコセッション。激しいライブの前にNatural High! の10周年を振り返っていただきました。

photo by オガワブンゴ
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10年を迎えて。自らを開放する場所へようこそ。
辻コースケ × 沼澤 尚

全てを包み込む、道志の森の存在

Natural High! が、今回、10周年なので、いろいろお話をお聞きしたいなと思ってまして。

辻コースケ:もう、道志の森がいいですよね。あそこの場所が。川とか、大好きですね。あのシチュエーション。

photo by オガワブンゴ
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沼澤 尚:雨降ってもまるで大丈夫みたいな、あそこは本当に素晴らしい森林で。すごい雨のときもあったけど、なんか別に全然普通にやってた。

辻コースケ:そうですね。あの森の感じがいいんですよ。Natural High! は、行きたい、行くっていう知り合いとかも結構いますね。

Natural High! 10周年を振り返って

写真左が辻さん、右が沼澤さん、中央がMixのダブマスター内田直之さん。内田さんはNatutral High! にGOMA&The Jungle Rhythm Sectionで出演予定。
写真左が辻さん、右が沼澤さん、中央がMixのダブマスター内田直之さん。内田さんはNatutral High! にGOMA&The Jungle Rhythm Sectionで出演予定。

これまで印象に残っている年とか。印象に残ったステージとか。

沼澤 尚:全部かな。つまんなかった、なんてあり得ないし。あそこで演奏するのが、もう楽しいから。これはまぁまぁかな、なんてのもひとつもなかったし。場所がまず最高だし、もちろん一緒に演奏する連中も仲間だし、お客さんも。そのときの時間帯とか天候とか、ステージのいろんな状況や、お客さんの多いとき少ないときとかいろいろあるけど。ブルーズ・ザ・ブッチャーが初日のトリをやったときは、全部のステージが終わってから始まったから、すごい人だったけど。だからって、そっちのほうが良かったとかってことは絶対にない。

辻コースケ:僕はリバーステージが好きでしたねー。去年から、DJだけになったんですよね。あそこの演奏を復活させて欲しいなぁ。

沼澤 尚:あれ、無くなったのはねー。さみしい。

辻コースケ:お客さんも演者も全員ね、川の音が聴こえてるんですよ。それありきで始まるのが、もうなんか、集中できてるっていうか。で、そのなかで、今までやったのが、勝井祐二さんとのデュオとか、森俊之さんとデュオ、フィンランドのペッテリ・サリオラとか。

お二人ともNatural High! の常連さんです。

辻コースケ:僕が初回から、ひとりとかで。そのうち、ジャンベワークショップとか、僕と誰かのセッションの枠とかをいつももらっていて。

沼澤 尚:初めて誘ってもらえた時に日程的に参加できなくてそれが何回目か覚えてないけど。その次からずーっと出てる。ブッチャーだったり、東田くんと初共演したり。あと、シアターブルックもDEEP COVERも。旅人くん、ムッシュとのデュオも。YOSHITAKE EXPEくんともあるし、Leyonaとはバンドでも出てるし。

辻コースケ:Natural High! で実現したの結構ありますよ。僕は、やっぱり沼澤さんと2人で、そのとき、リリースツアーだったんですけど。(主催者の)南兵衛さんの要望で、そこの2人プラス、鬼怒さんと梅津さんと4人でセッション、どう?って言っていただいて。Natural High! ならではのセッション。面白かったですね。

photo by オガワブンゴ
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そういうのが、フェスの伝説のセッションみたいに、語り継がれていくんだと思うんですよね。やっぱりその場にいないと観れないですから。

辻コースケ:だから10年もフェス、続けている主催者の人は、本当すごいなって思いますよ。

若い人も年配の人も解き放たれる場所へ

お客さんの印象とか、どうですか?基本的に若いかたが中心だと思いますが。

辻コースケ:すごくいいですよ。

沼澤 尚:でもさ、日本ってそういうことをするのが、なぜか若いうちだけになっちゃってて。海外では、全然違う。グラストンベリー・フェスティバルに行った時、自分が一番若め?みたいな感じだったもん。

辻コースケ:なんで卒業しちゃうの?っていうのはありますね。

沼澤 尚:自分の子どもができたり、孫ができても、教えてあげたらいいのにな、って思うわけ。楽しいよって。テントこうやって張って、山ではこうやって遊ぶんだよって。年配の人が率先して参加する場所になればいいのになとは思う。それにNatural High! って、すごく東京から近いし、環境いいし、全然過酷じゃないし、行きやすいはずだよね。

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photo by オガワブンゴ

辻コースケ:そうですねー。

沼澤 尚:勝井くんも言ってたけど、去年ROVOがイギリス行ったとき、システム7の往年のファンとかで、年齢層がすげー高かったって。好きなものはいくつになっても好きだよっていう。90年代に聴いてたテクノだって、トランスだって、世界中でガシガシにやってる今の感じって本当にカッコいいものが多い。海外の最近のフェスの映像とかみるとすごいもん!それが、なぜか日本人には古い映像として見えちゃってるわけ。日本で続いてる感じが少ないし。
(海外のフェスの映像をスマホでみせてくれて)

辻コースケ:レインボー2000とか、こんな感じでしたよね。

沼澤 尚:超平和だもん。こういうの大量にあるよ。世界に。ところでこれいつなんだろう?って。え?去年じゃんみたいな。全員、解き放たれちゃって。みんなこういうの知ってたんだから、今でも来ればいいじゃんって。みて、これ。みんな。ふははは(笑)。

辻コースケ:ははっは(笑)。でも俺もこんなんでしたよ。

沼澤 尚:そういう空気がね。Natural High! から出るといいなって(笑)。来てて、来なくなっちゃった人。楽しいの知ってるじゃないですかって。別に還暦になっても来ればいいじゃん、みんなね。

Natural High! 往年のファンも、最近ご無沙汰だった人も、道志に集合です。そして、全てを包み込む森の下で、何もかも忘れて、自らを解き放してはいかがでしょうか!?